日本の10年債利回りは節目の0.5%割れまで低下した。銀行の資金調達原価が1%をやや下回る水準であることを考えれば、すでに投資妙味がない状態が続いていたが、それでも緩やかに低下している。
日本国債の魅力が薄れる中、2014年度の運用計画において、国内の機関投資家は外債運用の積極化を盛り込んだ。しかし、足元では欧米の長期金利が顕著に低下し、外債運用も難しくなり、投資家の資金が日本国債に回帰している。しかし、0.5%の10年債を積極的に買う向きも限られ、20年債など利回りの高い債券への投資が増えている。
一般的には日本の長期金利は米国長期金利との連動性が最も高いのだが、ここ2~3カ月については、圧倒的にユーロ圏のフランス国債との連動性が高まっている。
背景として考えられるのは、米国とユーロ圏の景気動向の違いだろう。OECD(経済協力開発機構)景気先行指数に注目すれば、日本と同様にユーロ圏の指数がピークアウトする一方、米国は上昇の勢いこそ強くないが底堅い動きを続けている。日本国債は経済環境の近いユーロ圏の国債との連動性を高めていることになる。