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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人事政策と働き方を変える
「タレントマネジメント・システム」とは?

河合起季
【第8回】 2014年9月5日
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社員のメンタル対策にも

 新規プロジェクト立ち上げや業態開発などにおいて、どのようなチームづくりをするかは重要なポイントだが、そこでもタレントマネジメント・システムは威力を発揮する。

 「これまで新規プロジェクトで成果を上げているリーダーは誰か、その人材がどんなスキルや能力を持ち、どのようなパーソナリティなのかといったことがわかるのはもちろん、チームメンバーの組み合わせが適正かどうかも判断できます。その基準となるのが、チーム力のスコア。このチーム10人の総合評価の平均点は73点といったように数値で表すことができます」(全氏)

 難しい案件の場合、平均点を80点などと高く設定し、その点数を上回るチーム構成を考えればいいわけだ。

 一方、メンタル対策に活用したいという企業も少なくない。

 データ分析をすると、メンタル不全に陥りやすいのはどのような人材か、ストレスの原因は何か、本人に適した復職先はどこかといったことが見えてくる。その結果を踏まえて、ストレス原因への対策、復職の際の適正配置、メンタル不全者の配属基準の構築、マネジメントの改善などの対策を打つという。

目標と進捗状況を常に確認でき、
上司もマネジメントしやすくなる

 企業にとってはメリットの多いタレントマネジメント・システムだが、ワーカー側からみても、導入企業を「社員一人ひとりを適切に評価してくれる会社」として前向きにとらえる声が多い。

 評価が低い人に対しては、何が原因なのか、どの点を強化すればいいのか、どのようにフォローすればいいのかといったことがデータ分析から推測できるため、従来に比べて的確なアドバイスがしやすくなる。

 また、紙やエクセルの管理だと、ふだん目標管理シートを目にすることがないため、社員も期初に立てた目標を忘れてしまいがち。そして、期末が近づいてくると、つじつま合わせのように大慌てで追い込みをかけるといったことが繰り返されてきた。

 タレントマネジメント・システムでは、社員自身が自分の目標と進捗状況を常に確認でき、また上司のほうも各部下とチームの進捗状況を常に把握できる。上司は部下のリアルタイムの成果を確認したうえで、的確なコーチングやマネジメントが行えるようになるわけだ。

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人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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