経営 × オフィス

目標管理と業務内容の明確化が必須
シスコシステムズが教えるテレワーク成功の秘訣

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第4回】 2014年9月11日
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 シスコの鎌田道子・ジャパンマーケティング本部長は「自分の働き方を自分でデザインできるスキル、つまり自己管理能力が、テレワーク導入には欠かせない」と話す。鎌田本部長の自宅があるのは茨城県つくば市。毎週火曜日は、在宅勤務を選ぶことが多い。「在宅の日の方が、むしろ忙しかったりする」と笑う。事務処理など、出社しなくてもできる仕事を集中して行うからだ。

 つまり、「会社にいなければできない仕事か否か」を社員一人ひとりが自分で仕分ける作業が、まずは必要になるということだ。データ分析や経理財務といった職種なら、在宅での仕事はまったく問題ないだろう。しかし、初めて会う顧客とのミーティングなら、対面は欠かせない。

働く時間で社員を評価をするのか?
“成果”を計る指標を明確化

 会社側にとってはどうだろうか?社内のペーパーレス化が推進されておらず、紙の書類に頼った業務フローだったり、システムのセキュリティ面に不安があることが、テレワーク導入の際、多くの企業でネックになるという。さらに根本的なポイントとして重要なのは、「社員を何で、どう評価するのか?」という、人事評価の仕組みだ。

 前述した社員側の意見にも通じるのだが、「1日8時間働いてもらいます」という大前提で人事評価を組み立てている場合、テレワークを本格導入するのは難しい。シスコの場合、米国本社の年間方針をアジアパシフィック法人、そして日本法人に落とし込み、そこに個人がどう貢献できるか?という視点で人事評価をする。つまり、「働いた時間ではなく、成果物で評価をする」(鎌田本部長)という会社方針が明確なのだ。

 目標設定に際しては、具体的な目標に加えて、「いつ、何をどのようにする」といった具体的なアクションを上司と話し合い、合意すれば書面を交わす。ここさえクリアしてもらえれば、「いつどこで働こうと自由」というわけだ。ここまで会社側のスタンスが明確になって初めて、社員も抵抗なくテレワークを導入できる。会社の方針が曖昧ならば、「テレワークや在宅勤務を選択すれば、キャリアに傷がつくのではないか?」という疑心暗鬼が社員に蔓延するのは避けられない。

 母親が癌になった男性社員、両親の介護と仕事を両立する50代の役員、さらには「自宅では落ち着いて働けないけれど」と、なじみのカフェやレンタルオフィスで働く、いわゆるノマドワーカーの男性社員たち−−。日本企業の多くでは、在宅勤務は育児をする女性社員が(しかも悩みに悩んで)導入するものとの意識もまだまだある。しかし、シスコではそうした大きな理由があってもなくても、「一番効率のいい働き方」を実現する手段として、テレワークが活用されている。
 

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