「グローバルクラウドビジョン」を掲げ、通信事業者ならではのICTソリューションを提供しているNTTコミュニケーションズ。その最先端のサービスやソリューションを展示・講演を通じて紹介する「NTTコミュニケーションズ フォーラム 2014」が2014年10月9日、10日の2日間にわたって都内で開催された。開催テーマは「進化したクラウド」。有馬社長の基調講演といくつかの講演の内容を通して、クラウドサービスの最新事情を知ることができた。
世界でシームレスに提供される
次世代クラウド基盤
――NTTコミュニケーションズ有馬彰社長
基調講演では有馬彰社長が登壇し、「NTTコミュニケーションズのグローバルクラウドビジョン2014~進化したクラウド~」と題して、同社のクラウド事業の全体像について解説した。
冒頭に有馬社長は、ICT市場の動向について語った。ユーザー企業は今後のICTに対して、業務の効率化だけでなく、経営判断の迅速化や収益拡大など、経営を支える幅広い分野での効果を期待しているとの見解を示した。そして、IDC Japanによる2014年の調査によれば、ユーザー企業のクラウド導入は年々加速しており、全体の約6割がクラウドを「導入済み」または「検討中」としていることや、クラウドの選定基準としてはコストに加え、機能やセキュリティ、他システムとの連携、事業者の信頼性が重視されているとの状況を語った。
また、海外展開する企業がますます増えるなかで、グローバルなレベルでICTガバナンスを利かせている企業は約3割に過ぎず、「このままではまずい」と考える企業が約6割に上ることを示した。
このような状況のなか、NTTコミュニケーションズは2011年に「グローバルクラウドビジョン」を掲げ、クラウドへの取り組みを加速させてきた。有馬社長は「グローバルレベルで統一化されたシームレスなICT環境をお客様に提供するために、海外企業十数社に対するM&Aを行ってきた」と語り、2014年の1年間だけでも、会議系サービスのArkadin、データセンターのRagingWire、ネットワークサービスのVirtelaの計3社を買収した実績を示した。
そして、同社のグローバルクラウドビジョンが実現した事例として、大日本印刷や伊藤忠商事、全日本空輸、本田技研工業の事例を紹介。さらに、同社の取り組みが評価され、IDCやガートナーといった調査会社のリポートにおいて、同社はクラウド分野のリーダー的ポジションに位置づけられていること、国内外の評価機関から数々の賞を受けたことなどをアピールした。