セールスフォースの次の標的は<br />「ビジネスアナリティクス」世界一<br />――「dreamforce 2014」現地レポート(1)「アナリティクス・クラウド」のパートナー企業であるGEキャピタルの営業部員向け分析ページのデモ。高級ヨットメーカーに対して、資金を貸し付ける提案を行うための分析画面。左上はセールスフォースによる販売データ、右上には米国政府「data.gov」の米国州別購買力データ(オープンデータ)、左下がSAPの商品別在庫データ、そして右下がソーシャル分析のデータ。これらのバラバラのデータを「WAVE」テクノロジーがまとめることで、1つの画面内にきれいに納めることができる(講演スライドより)

 たとえば営業現場の担当者が、今月の成績をあと“ひと伸ばし”するために、やるべきネタを探して、攻略法を見つけるためのツールを目指している。

「本来は現場に直結する分析が必要。しかしコンピュータのパワーが足りなかった時代に作られた“レガシー”なアナリティクスのシステムは、分析のためにデータを整える作業が必要で、非常に手間がかかる。これではさまざまな種類のデータを分析に生かすことができない。

 だから我々は、クラウドと最新のコンピュータの能力を前提にした『WAVE』という基盤を作り、そこにあらゆるデータを取り込み、まるでグーグルでWEB検索するように業務データの分析が行えるシステムを作った」(ビジャイ・チャクラバティ チーフ・プロダクト・イノベーション・オフィサー)

スマホの画面でも
ビッグデータを操れそうだが…

セールスフォースの次の標的は<br />「ビジネスアナリティクス」世界一<br />――「dreamforce 2014」現地レポート(1)データ分析は、PCと同じようにスマホでも行える。グラフの種類や期間の変更なども指先の操作で自在に可能(講演スライドより)

 モバイル環境での操作性には、とくにこだわっている。分析ツールというと、デスクトップのモニターを場合によっては複数開き、広い画面を眺めて仮説検証するほうが向いているように思えるが、セールスフォースの考えは「それは古い」ということのようだ。

 上に示したように、スマホの画面に縦にいくつか並べたチャートを、タップして掘り下げていくことで、「いつでもどこでもアナリティクスする」環境を作ろうとしている。

 だが、これには少々疑問を持った。デモを見ても、やはりスマホの画面では多くの情報を一覧できないため、試行錯誤しながら分析するのは厳しいように感じた(デモはあらかじめストーリーが決まっているので問題ないが…)。

 記者の印象としては、モバイルでの利用はアナリティクスというより、ある程度仮説を立てて、対象を決めた上で改善のシミュレーションを行うツールのようにも思えた。

 このあたりは、業種・職種別の分析テンプレートが提供されることもあるだろうし、今後の事例でどこまで使えるか明らかになるだろう。いずれにしても、セールスフォースは従来の「分析」とは違う概念を、業務の現場に持ち込もうとしているのは間違いない。

 とはいえ、あるアプリ開発会社の幹部が「セールスフォースが出すアナリティクスなら、CRMなどの業務アプリとの連携がスムーズにできそうだ」と語っていたように、従来からのセールスフォースのアプリによる効率化や自動化を、いくつかの分析を加えて補強するだけでも、かなり強力な営業ツールにバージョンアップしそうだ。