有識者でつくる「日本創成会議」が2040年時点での各自治体の人口予測を発表し、日本中に衝撃を与えた。若い女性の減少率を試算し、それに基づいて896自治体を「消滅可能性都市」として公表したからだ。

 その中で消滅する可能性のある自治体のトップに挙げられたのが、南牧村だった。20歳から39歳までの若い女性の減少率(対2010年比)は約9割に達し、10人にまで減ると試算された。村の人口は2040年には626人に激減し、消滅可能性でも全国トップという不名誉なレッテルを張られてしまったのである。

 南牧村は、現時点で少子高齢化が最も進んでいる自治体で、かつ、将来消滅する恐れが最も強い自治体なのである。悲惨きわまりない話としか言いようがない。

消滅可能性のある自治体トップに
「今が逆にチャンスかもしれない」

 下仁田を出発した「ふるさとバス」は20分ほどで、南牧村役場前に到着した。バスを降り、南牧川沿いに立つ村役場へ向かった。

「みんなが強い危機感を持つようになりました。何とかしなければ、何か行動しなければとなっています」

 こう語るのは、南牧村の茂木毅恒・村づくり雇用推進課長。厳しい現実を前にして意気消沈しているかと思ったら、そうではなかった。消滅可能性自治体ナンバーワンの発表が、村の活性化にとっては大きな刺激となっているという。また、村が進めている取り組みに手応えを感じているようだった。

 村の中にはより前向きに捉えている人もいた。村議会議員の茂木栄一さんは、「私は逆に良かったと思います。年配者の中にはあきらめ感もありますが、全国から注目されるようになりましたので、今が逆にチャンスだと思います」と、村の活性化に強い意欲を示すのだった。

 南牧村は昭和の大合併で誕生した。1955年に磐戸村と月形村、それに尾沢村の3村が対等合併し、産声を上げたのである。当時の人口は1万892人に上った。その後、急速に過疎化が進み、現在の人口は2233人(2014年10月末時点)。人口のピークは自治体誕生直後であり、以来坂道を転がり続け、59年間で約8割も減少してしまったのである。