日本最大級のビジネスコンテストでもあり、スピーチコンテストでもあり、夢オーディションでもある『みんなの夢アワード5』の三次選考会が終了した。

 最終決戦の会場は武道館。ここで優勝すれば最大2000万円の資金援助。優勝しなくても、50社を超える協賛企業の担当者がプレゼンを聞いてくれて、共感したり応援したいと思ってくれれば何らかの支援、協力を得られる。そして、なによりも、8000人の観客の前でプレゼンテーションができる。自分の想いとアイデアを伝えることができる。

 このように、夢アワードには他に類を見ない大きなメリットが数多くあり、非常に多くの多彩な人たちがエントリーしてくる。無名の若者はもちろん、その世界ではすでに名のある大物も応募してきたりする。今回の『夢アワード5』では500名を超えるエントリーがあり、そのなかから25名が三次選考会に進出し、プレゼンテーションを行なった。

 ちなみに僕は、この夢アワードでは「アソシエイト・プロデューサー」という肩書きで関わっており、一次、二次、三次の選考にすべて携わってきた。毎年、選考に関わっていると、その年の傾向みたいなものが見えてくる。ソーシャルの世界にも当然だがトレンドというものがあるのだ。そこで今回は、夢アワードの選考を通じて感じた、今年のソーシャルトレンドをお伝えする

原発事故に吹き飛ばされた
日本のエコブーム

 まず顕著だったのは「環境トレンドの衰退」だ。ソーシャル系ビジコンでは、「環境・エコ」「障害者」「地域活性化」「農業」は定番ネタで、これらのジャンルでのエントリー数がとても多い。しかし今回の夢アワードでは、「環境・エコ」関連のエントリー数が極端に少なく、三次選考まで通過した企画はゼロである。

 日本社会のなかで環境トレンドが衰退していることは、福島第一原発の事故以降何となく感じていたが、それが数字となって顕著に表れてきたと言えるだろう。なぜそうなったのかは今回の数字だけでは判断できず、あくまでも推測になってしまうが、「原発事故により、日本最大の環境問題は原発問題になった」からではないだろうか。