東燃ゼネラルは、14年12月期の連結純利益を従来予想の470億円から210億円へ下方修正している。さらに、昨今の世界的な原油価格の急落が業績に大きく影響しそうだ。

「最近の原油価格と為替価格は理解が及ばない動き方をしている」──。

 12月初旬、東燃ゼネラル石油の武藤潤社長は、記者が集まった会合の場でこう話した。

 それもそのはず。今年6月末に1バレル約110ドルだった原油価格(ドバイ原油)は、11月末には1バレル約65ドルと、半年もたたぬ間に約4割も下落しており、世界的な油価の急落が、国内の石油元売り各社の業績に大きな影を落とし始めている。

 11月中旬に石油精製・元売り大手6社が発表した2014年4~9月期、または1~9月期決算は、コスモ石油を除く全社が通期業績予想の下方修正を余儀なくされた。各社共に、油価の想定を見直す必要に迫られ、在庫評価損が膨らんでしまっているのだ。

 中でも目立つのが東燃ゼネラル。業績予想の前提となる油価は、8月に公表した1バレル106ドル(ドバイ原油、7月平均)から11月には1バレル87ドル(同、10月平均)にまで下落、経常赤字に転落した。

 石油製品の需要も例年より夏場の気温が低かったことなどから前年を下回った。その結果、12月期の通期の連結純利益の予想を、それまでの470億円から210億円へ下方修正している。

 こうした油価の急変動により業績が大幅にぶれることは、石油業界にとって珍しいことではない。「今の値が底だと思えば、来期は増益を見込める可能性が高い。長期的に見れば、下がった油価はいずれ上がると考える業界」と、あるアナリストは指摘する。

 それにもかかわらず、冒頭のように東燃ゼネラルの経営陣が昨今の油価急落の影響を気にするのには、理由がある。