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データサイエンティストの冒険

私が“データ先進国”米国にわたる理由

工藤卓哉 [アクセンチュア]
【第14回】 2014年12月24日
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アナリティクス先進国
アメリカにわたる意義

 ではなぜ、震災を機に日本に貢献するためアメリカから帰国した私が、再びアメリカでキャリアを築く道に戻るのか。それはもちろん日本を見限ったからではありません。

 むしろ日本のアナリティクスを前に進めるために、戦略的に重要な意味があると考えた上での決断でした。

 私が渡米する第一の目的は、情報通信技術関連の法規制が明確に定義されている北米に拠点を移すことで、今まで実証が日本の規制で難しかった画像解析分野などのアナリティクスを使ったビジネスやソリューションの実証実験や研究を一歩でも前に進めるためです。

 日本でもアナリティクスの有用性が広く知られるようになりましたが、まだまだ実ビジネスにおいてアナリティクスを広く活用している事例は米国に比べて少なく、かつ日本やヨーロッパはアメリカに比べプライバシーの問題は非常にセンシティブです。そのため、データの利活用に前向きな国民性と法体系を持つアメリカで活動するほうがどうしても有利になります。国によっては、イスラエルのようにスタートアップ系の企業が活動しやすく、ディープラーニング等の領域が活発に実験されている国や場所もあります。

 また、投資の面から見ても、米国のアクセンチュア拠点にいることで、MITやGE、Clouderaやインテルなど、強力なビジネスパートナーの上級執行役員クラスと直接やりとりすることが可能です。こうした環境面からみて、日米どちらで実験を積み重ねるほうが効率的な選択なのか比較の余地はないように思えました。

日本発のソリューションを
グローバルに展開させたい

 もう1つ、アメリカで試してみたいことがあります。それは日本で開発したアナリティクスソリューションをグローバルに展開させるための「起爆剤」とする試みです。

 たとえば日本のアクセンチュアが開発した、クラウド型の在庫補充最適化ソリューションである「Accenture Fulfillment Service(AFS)」のような、小売業や製造業向けのソリューションサービスは、意外なことにアメリカにはあまり事例があまりありません。

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工藤卓哉
[アクセンチュア]

Accenture Data Science Center of Excellence グローバル統括 兼
アクセンチュア アプライド・インテリジェンス マネジング・ディレクター
ARISE analytics Chief Science Officer (CSO)

慶應義塾大学を卒業しアクセンチュアに入社。コンサルタントとして活躍後、コロンビア大学国際公共政策大学院で学ぶため退職。同大学院で修士号を取得後、ブルームバーグ市長政権下のニューヨーク市で統計ディレクター職を歴任。在任中、カーネギーメロン工科大学情報技術科学大学院で修士号の取得も果たす。2011年にアクセンチュアに復職。 2016年11月より現職。 データサイエンスに関する数多くの著書、寄稿の執筆、講演活動を実施。


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近年テクノロジーと数理モデルによってもたらされるアナリティクスが、ビジネスを大きく変えようとしている。データの高度な活用から次の打ち手を見出す力、アナリティクスの決定的な優位性を最前線から解説する。

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