1980年代と違って外国人投資家の売買代金シェアが約7割に達する短期筋主導の日経平均株価が1万8000円台を安定的に維持することは容易ではない。

 15年の日本株はアップサイドが小さいと映るかもしれないが、企業収益やコーポレートガバナンスの改善が良質な長期資金を呼び込み、日本株の保有主体が短期資金から長期資金にシフトする中で、株高基調が継続するのだと受け止めてもらいたい。

 資産バブルとはファンダメンタルから大きく乖離した水準に値上がりすることを指す。つまり、ファンダメンタルの改善で資産バブルは起こらない。1ドル=120円を前提にすると、15年度の日経平均株価ベースの1株当たり利益は2桁増益となり、1000円を超える。

 日経平均株価1万8000円を前提にすると株価収益率(PER)は18倍弱となるが、国際比較を行う外国人投資家はよほどの理由がなければ割高になった日本株を利益確定売りの対象にし始めるだろう。

 80年代がそうであったように国内投資家が買わないと国際比較で(超)割高な水準にまで資産価格は上がりづらい。80年代後半には政策当局が引き締め政策への転換を引き延ばしたときに、政策当局が(資産バブルに対して)無責任であると思われたあたりから資産バブルが発生した。

 これを今回のケースに当てはめると、インフレ率が2%に到達しても日銀が相当期間にわたって量的緩和を縮小しない場合が考えられる。日本株がバブルになるかならないかは実際にインフレ率が2%に到達したときに日銀がどう振る舞うかによっている。日経平均株価2万円のシナリオは16年に取っておくことが賢明だろう。

(大和証券チーフストラテジスト 成瀬順也)