10~12月期の実質GDPはプラス成長に戻る

 景気動向指数による機械的な景気の基調判断は8月分以来「下方への局面変化」である。それは、景気の山がそれ以前の数ヵ月にあった可能性が高いことを示唆する弱い判断だ。

 10月分速報値が発表された段階で、「過去の数字が不変であることを前提とすると、1月9日発表の11月分(速報)で一致CI前月差が+0.1でも上昇になるなら、3ヵ月連続して3ヵ月後方移動平均(各月とそれ以前の2ヵ月の平均値)が上昇となり、景気の基調判断が“改善”に戻る」という可能性があった。しかし、残念ながら2つの理由でこの見通しは実現しなかった(図表3)。

 第一は、10月分・改定値発表段階で9月分の3ヵ月後方移動平均が前月差0.00に下方修正されたためだ。11月分では3カ月後方移動平均の上昇は2カ月連続にとどまることになった。第二は、11月分の一致CIが前月差下降になってしまったことだ。増加が見込まれていた11月分鉱工業生産指数・速報値の前月比が予測に反して減少したことが要因のひとつだ。ウエイトが大きいはん用・生産用・業務用機械工業が受注元の納期延期依頼により前月比▲3.5%と減少したことによるところが大きい。ただし、生産が変調をきたしたわけではない。はん用・生産用・業務用機械工業の生産予測指数は12月分前月比+6.6%、1月分前月比+13.7%と先行き堅調に推移する見込みである。

 早ければ12月分・速報値が発表される2月6日に景気の基調判断が「下方への局面変化」から「改善」に上方修正される可能性がある。11月分で3ヵ月後方移動平均の前月差は2カ月連続のプラスになった。一致CIを使った景気の基調判断が「局面変化」から「改善」に戻るには、前月差上昇で、かつ原則として3ヵ月以上連続して3ヵ月後方移動平均が上昇すればよい。次回12月分の一致CI前月差が+0.2以上の上昇になるなら、3ヵ月以上連続して3ヵ月後方移動平均が上昇となる。なお、一致系列に生産指数が入っているが、12月分の製造工業生産予測指数の前月比は+3.2%とかなりの上昇が見込まれていることは明るい材料である。

 近いうちに景気拡張の可能性が高いことを示唆する「改善」に上方修正され、景気判断も「逆転」しよう。

 2月に発表される昨年10~12月期の実質GDPは、しっかりしたプラス成長に戻る見込みだ。急激な円安や原油安による不安もだんだんと落ち着いてこよう。

 有効求人倍率が11月分で1.12倍と22年半ぶりの高水準になり、雇用環境は良くなっている。限界的な雇用の数字と言える自殺者数は、12年から14年まで3年間連続して3万人を割り込んだ。企業収益が堅調で、雇用環境が改善する中、春闘での賃上げが期待される。もたつき局面を乗り越えてデフレから脱却する、景気の好循環局面がいよいよ始まりそうだ