年金事務所で勤務経験がある人から次のような話を聞いたことがある。

「年の途中で退職をして今は無職の人が来所され、夫の勤務先の健保組合からは『1月からの年収が130万円を超えているので、今年は被扶養者になれない』と言われたそうです。でも、今無収入なら国民年金の第3号被保険者になれるんですよ」

 数は少ないが、健保組合の被扶養者に該当しなかった人で第3号被保険者になる手続きをしにきた人もいたようだ。まさに知らなきゃソンな話である。

配偶者控除廃止の議論をするなら
社会保険の被扶養者の見直しもすべき

 被扶養者認定に精通している人によると、健保組合向けに年に1回行う厚労省の検査では、収入の取り方を「将来」で見るか「過去」で見るか、検査官によって異なることもあるそうだ。被扶養者は、配偶者のみならず、子どもや親なども対象になるので、国が公平性のある認定基準のガイドラインを示すべきだろう。

 数年前から配偶者控除廃止が検討されているが、国が本気で主婦の労働力を活用したいと考えるなら、税制だけでなく社会保険の被扶養者についても同時に議論を進めるべきだ。現状では社会保険の被扶養者は保険料を払わずに済む本当に「おトクな制度」だ。社会保険の見直しがされないと、配偶者控除が廃止になったとしても「130万円の壁」を越えずに働く主婦が多数になると予想される。

 年金財政や健康保険財政を考えても、保険料を払わなくて済む被扶養者を抱え続けるのは大きな負担だ。ソン・トクを考えずに働ける制度への見直しは急務である。

―― 今週のミッション!――
 
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