都庁で行われた塩村都議(左)と松井氏の対談。話題は多岐にわたった
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“痛みは伴ったけれど、浄化ができた” 昨年6月、東京都議会で起きた「セクハラやじ事件」の渦中にいた塩村文夏・東京都議会議員は、当時をそう振り返る。この騒動は、国内だけに止まらず海外メディアでも報道され、大きな議論を巻き起こした。塩村都議は騒動収束後も、やじとは無関係の問題でバッシングされたが、この問題の本質はどこにあったのか。騒動を経て、どんな心境の変化があったのか。そして現在の政治スタンスとは――。

塩村都議と旧知の間柄にある政治ジャーナリストの松井雅博氏が、都議に「今までとこれから」を詳しく聞いた。松井氏は政策秘書を経て、前回の衆院選に維新の党から出馬した経験も持つ。地方政治と国政に精通した2人の対談は熱を帯び、話題は多岐にわたった。(記事構成・動画/ダイヤモンド・オンライン編集部・安田有希子、写真/小尾拓也)

出会いは維新政治塾
ある日、新聞の一面に塩村さんが……!

松井 もともと僕と塩村さんが出会ったのは、維新政治塾でしたね。でも塾では、そんなに接点なかったですよね。

塩村 仕事が忙しかったので、私は他の方より仲間との交流が薄かったかもしれませんね。ただ終わってみれば、何らかの形でこの世界に残っている方、またはその世界のエキスパートの方など、濃いメンバーとだけは今も繋がっていますね。

松井 その後、塩村さんは都議になって……。突然、新聞の一面に塩村さんがドーンと出ていたときは、びっくりしましたよね。

塩村 「セクハラやじ事件」の渦中にいたときは、わからなかったです。取材も多かったので、テレビも新聞も読む時間がほとんどないくらいでした。でも、あの問題自体は根深いと思ったけれど、あんなに大きな話題になるとは……。

松井 そうですよね。誠意を持って対応すれば、終わっていましたよね。

塩村 おかしいと思ったら、(やじを飛ばした都議が)すぐに謝れば終わった話だったと思うんです。あれだけ大きな声(やじ)を拾っていたにもかかわらず『誰も言いませんでした』が続くなんて、奇妙だった。それをマスコミが許さなかったんですね。