さらに、睡眠の分断により日中に眠気が強くなることで、社会的な事故のリスクも高まります。例えば、居眠り運転による交通事故や工場での作業中の事故など。海外の調査によると、睡眠時無呼吸症候群の患者の交通事故発生率は、健常者の7倍以上も高くなっています。

 そのため、眠っている時の大きないびきを家族や周りの人に指摘されたり、昼間の強い眠気など自覚症状を感じたら、早めに専門施設(睡眠クリニック、耳鼻咽喉科、呼吸器内科など)を受診することをおすすめします。現在、睡眠時無呼吸症候群を扱っている医療機関は、全国に約1万件ありますので、近くの病院に相談してみましょう。

診断&治療は自宅でも行える!
口を開けて呼吸する子どもには注意を

――睡眠時無呼吸症候群の診断はどのように行うのですか。

実際に医療機関に泊まって精密検査を行う場合の検査専用のシールド室。ここで睡眠中の脳波を測り、解析室で睡眠の質をチェックする

 睡眠時無呼吸症候群の診断方法としては、スクリーニング検査と精密検査があります。まず、スクリーニング検査では、簡易型検査装置を使って、眠っている間の呼吸に異常がないかを調べます。この検査は、早ければ診察した当日に、自宅で行うことができ、約1週間後には診断結果がわかります。

 スクリーニング検査をしても診断がつかない場合や病態が複雑な場合は、精密検査として、終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。この検査では、医療機関に実際に泊まって、睡眠中の脳波や心電図、呼吸、いびき音などをチェックし、睡眠の質を評価します。当院では、検査専用のシールド室に泊まってもらい、睡眠検査技師が解析室で常時モニタリングを行います。検査は翌朝には終了するので、起きたらそのまま会社に出勤することも可能です。

 こうした検査とあわせて、睡眠時無呼吸症候群の原因を探るための検査も行います。顔の骨格に関わるリスクを調べるために、レントゲンやCTの画像分析を行い、標準的な骨格に比べてどのくらい小さいかを調べます。また、耳鼻咽喉科では、気道に異常があるかどうかをファイバースコープで検査します。

 このほか、睡眠時無呼吸症候群では、肥満にともなうメタボリックシンドロームや心疾患のリスクも見逃せません。そのため、心臓や脳血管に疾患が潜んでいないかどうか、合併症の検査も行います。