技能実習生の国籍トップ3は中国、ベトナム、インドネシア。次にフィリピン、タイと続きますが、いずれも急速に経済発展を遂げています。80年代なら、日本との賃金格差は30倍にも及びましたが、今はせいぜい10倍程度でしょう。それに加えて、昨年から急速に円安が進みました。日本で得られる仕事は、最低賃金レベルのものばかりですから、彼らにとって賃金面の魅力は色あせてきているのです。

 加えて、イメージも落ちてきています。かつて、日本メーカーの家電製品や自動車がアジア各国でナンバーワンブランドとして君臨していた時代は、日本に憧れる人が大勢いました。「夢の国・日本で、一度でいいから働きたい」と思ってもらえていたのです。しかし、今では日立や東芝は家電製品を縮小して重電分野に経営資源を特化し、代わりにサムスンやLGがアジアで活躍する時代となりました。“日本ブランド”の力も急速に衰えているのです。

 憧れも抱けず、カネも稼げないのなら、見向きされるはずもありません。日本人の多くは「外国人をこき使い、いらなくなったら見捨ててきた」と考えているでしょうが、実は、「われわれが外国人労働者から見捨てられる」時代がすぐそこまで来ているのです。

受け入れ制度の充実度で
日本の先を行く韓国と台湾

――同じく少子化が進んでいる韓国や台湾も、外国人労働者の受け入れに力を入れています。

 技能実習制度は、人集め、いわゆるリクルーティングは現地の民間企業や政府系機関が担っており、来日後しか日本政府はタッチしません。一方、介護職は技能実習制度ではなく、2国間協定のEPAによって実施されているので、日本政府がリクルーティングにもからめます。

 韓国や台湾は、日本でいうところの介護職の方式、つまり政府がリクルーティングに関与する方式で進めています。こちらの方が、労働者にかかる負担は少なくて済みます。というのも、現地でのリクルーティングにかかる費用は結局、労働者が負担することになる。民間企業などがあいだに入ると、その分イニシャルコストが跳ね上がるのです。また、滞在できる年数が日本より長いことも、労働者からすれば魅力でしょう。