先日新聞で、パナソニックなど日本の携帯端末メーカーが独自の基本ソフト(OS)を載せた従来型携帯電話、通称「ガラケー」の生産を2017年以降に中止する、というニュースを読み、「日本がかつてけん引した従来型携帯の基幹技術がその役割を終える」という記事の内容を実際に目にしたとき、その日がいずれは訪れるだろうと予想していたにもかかわらず、やはりショックに近い動揺を覚えた。

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 確かに、私は2001年当時、中国市場に進出した日系携帯電話メーカーの動きを見て、「このままだと、中国市場でシェアを落としてしまった日系家電メーカーの二の舞を演じるだろう」と警鐘を鳴らした。

「中国市場で苦汁をのまされた日本企業の敗因の多くは消費者無視だった。漢字を使う国の市場に漢字を入力できない携帯電話を投入したことは、日系企業のおごりを象徴する好例だ」といったショック療法ともいえるレポートや記事を、当時何度も全国紙など日本のメディアに書いたものだ。

 中には、私の警告に耳を傾けてくれたメーカーもあり、一緒に中国の携帯電話市場に入り込むために作戦プランを練り、それなりに成功したこともあった。しかし、個別の製品の成功だけでは、ビジネスモデルの根本的な間違いをカバーすることはできなかった。