>>(上)より続く

 一方で、香織さんはどうだったのでしょうか。結愛ちゃんを見たり、触れたり、手を伸ばしたりして心配する素振りはなく、「どうということはない!」と吐き捨てたのです。そのときは亮さんも頭にきて、「イスから落ちないように、お前も気をつけてあげなよ! もうちょっと心配したらどうなの! それでも母親か!」と苦言を呈したところ、香織さんは反省するどころか「(イスから落ちたのは)私のせいではないでしょ!」と食ってかかってきたのです。

妻には子どものために何かを
しようという気持ちが全くない

 こうした3つのエピソード(遊び相手をする、髪を洗う、椅子から落ちる)に共通するのは、香織さんの根底には「私がやらなくても、まぁ大丈夫。どうせ夫が代わりにやってくれるだろう」という甘えがあり、そのせいで亮さんに先んじて香織さんが動くことはなく、「万が一、夫がやってくれなかったら子どもはどうなるのだろう」という責任感が抜け落ちていることです。あらゆる言動の背景には、「子どもへの愛情の欠如」が見え隠れしますが、亮さんは6年間の結婚生活のなかで少しずつ、これらのことに気づいていったそうです。「嫁には『子どものために』何かをしようという気がないんです!」と。

4.まともに躾をしようとせず、子どもの成長に悪影響を与える行為

「嫁は人任せで、自分では何も教えようとしないんです! 娘はまだ4歳なので、性格も素直で教えられたことは吸収しやすい年頃だから、どうせ教えるのなら今がいいのに」

 亮さんは、もう少しで唾を飛ばさんばかりの勢いでそう訴えかけたのですが、いったい何があったのでしょうか。どうやら香織さんは、結愛ちゃんに物事を教えるのを面倒に感じているらしく、最低限のことすら教えようとせず、結局亮さんがすべて代わりにやらざるを得なくなったそうなのです。

 たとえば、トイレの使い方、排便後のお尻の拭き方、衣服の着脱の仕方、たたみ方、食事の仕方、箸やお椀の持ち方、顔の洗い方、歯磨きのやり方、平仮名の読み書き、絵の書き方、時計の見方、数字の数え方などなど――。

 亮さんも業を煮やして香織さんに、「少しは自分でやったらどうなんだ」と詰問したのですが、香織さんは意に介さず、「そんなことは保育園で教えてもらったらいい!」と一喝してきたそうです。「保育園や学校よりも、まずは家で親が基本的なことを教えるべきだと思うんですが。普通は……」と亮さんはため息をつきながら、そう嘆くのです。

 それだけではありませんでした。

 確かに亮さんが香織さんの分も含め、2人分の育児を担当すれば何も問題はないし、香織さんの存在は結愛ちゃんにとってほぼプラスマイナスゼロであり、マイナスの影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし、香織さんは何もしないだけでなく、あろうことか亮さんの邪魔をし始め、結愛ちゃんへマイナスの影響を与えようとしたのです。