出た提案を全て採用して、ペンキを混ぜたら、壁は美しくなくなる。ここで発揮されるのが「リーダーシップ」である。チームの状態等を考えて、リーダーは手法を考える。皆でディスカッションを行い、合意形成をしていくという方法もあるだろうし、もしかすると議論の後に多数決をとるのかもしれないし、もしかすると更に新しいアイディアを思いついて多くの会議参加者が賛成するかもしれない。はたまた最後にはリーダーが独断で、これだと決めるのかもしれない。

 リーダーは、上手く行くであろう方法を考えながら、また、チームメンバーの意思もくみながら、目的や戦略にあった結論を導きだし、決定する。

ダイバーシティとは
“わがまま組織”ではない

 では参加者である働き手一人ひとりはどうしたらいいだろう。この会議で例えば「薄いブルー」ということに決まったとしよう。この時に、「えー、さんざん意見を言えって言うから言ったのに、やっぱり、あの課長が提案した薄いブルーになった。ブルーなんて嫌いなのに」と考えて決定に従わなかったり、「ストライプという斬新なアイディアを出したのに、やはり今まで通り無難な無地になったではないか」と不満を持ちながら仕事をするのでは、チームは前進しない。

 薄いブルーだと決まったのに、全員で壁にペンキを塗る日に、一人不満を口にしながら、端の方に黄色のペンキを混ぜて塗っている人がいたら、壁はどうなるだろう。美しくし上がるだろうか。「やはり斬新なアイディアが必要だ。ストライプがいい」と言い続けて、壁の一部にストライプを試そうとする人がいたら、効率はいいだろうか。

 ダイバーシティ組織というのは、わがまま組織ではない。自分の意見をしっかり述べるという機会があり、提案という貢献をすることが大切だが、その後決まったことは、全員で、1ミリのズレもなく力を合わせて全力で最高の仕事をするということ。それで初めて、ダイバーシティの目的である、チームの総合得点が高まることにつながる。

 自らの意見や視点を述べた上で、それが採用されなくても、決まったことを100%の力でやりぬく力、決まったことを最高に仕上げるためのチームの一員になる力を「フォロワーシップ」というのだ。この、フォロワーシップ力がない人たちが多いと、と組織はバラバラになり、スピード感を持って進むことができない。