『中谷彰宏の人生道場』テーマ第4弾は「リーダーシップ」です。ひとくちに「リーダー」と言っても、部下に好かれるリーダー、そうでないリーダーなど様々なタイプがいます。その違いはいったいどこにあるのでしょう。これから紹介するのは、「部下がなかなかついてきてくれないリーダー」「部下をリーダーに育てたいリーダー」「リーダーの勉強を今のうちからしておきたい部下」のために書いた言葉です。これらの言葉を活かし、「この人にほめられたい」と部下から言ってもらえるリーダーを目指してください。
上司のことでグチを、こぼさない。
リーダーの上にもリーダーがいます。この関係性が面白いです。
みんながついていこうと思うリーダーは、その上のリーダーのグチをこぼさない人です。中間管理職は「うちの役員は何もわかっちゃいない」「うちの社長は何もわかっちゃいない」と言いがちです。
これは自分の言いわけです。「みんなの気持ちはよくわかっているけど、上が頭がかたくて」と言うのです。この瞬間に、部下は「この人はリーダーではない」と判断します。
犬と同じで、部下は本当のリーダーを一生懸命探しています。リーダーに引っ張ってもらうのが一番安心で、一番強いチームができるからです。
リーダーのいないチームは、最も弱いのです。
リーダーのいないバラバラの100匹のライオンよりも、1匹のライオンが100匹の羊を連れているチームのほうがはるかに強いのです。
これがチームや組織で戦う強さです。
100匹の羊は、1匹のライオンがまとめないと、ただの100匹の羊です。100匹のライオンには勝てません。
ところが、1匹のライオンに率いられた100匹の羊がバラバラの100匹のライオンに勝つのです。
自分の上司の悪口を言うリーダーには、誰もついていきません。「上が頭がかたくてさ」とこぼした瞬間に、「この人はリーダーじゃない。リーダーは誰なんだろう。困ったな」と思います。
リーダーとして認めないということではありません。「この人はリーダーでなかった」と思って、新しいリーダーを探し始めるのです。
【人がついていくリーダーになるために その1】 上の悪口を、やめよう。