100年間静かだった日本列島
1世紀に4~6回の大噴火は「通常の範囲内」

――ただ、確かに3.11以降、火山噴火が増えたという印象を持っています。

 昨年の御嶽山噴火は死者を出した大災害となりました。そのほかにも、火山活動が活発化したり、噴火に至った火山が続出している。しかし、長い目で見ると実は、この100年のあいだ、日本列島は異常なほど静かだっただけと言えます。

 火山の噴火はさまざまなタイプと規模があるのですが、火山学者は東京ドーム約250杯分以上の噴出物があったものを「大噴火」と定義しています。この「大噴火」は日本の場合、100年間に4~6回ほどは必ず起きていました。それが20世紀に入って以降、1914年の桜島と、1929年の駒ヶ岳で「大噴火」があっただけで、ずっと静かな状態が続いている。そう考えれば、3.11以降、むしろ普段に戻っただけとも言えるわけで、今世紀に4~6回の「大噴火」が起きても、何の不思議もありません。

 日本には110もの活火山があり、うち50の火山が24時間監視されています。さらに噴火を警戒せねばならない30の火山については「噴火警戒レベル」がつけられています。これらの火山のうち、たとえば浅間山は、過去100年で50回ほども噴火しており、少なくとも50年分はデータが蓄積されているため、予測しやすい。桜島や有珠山も比較的頻繁に噴火しているために、クセが読みやすい火山です。

 しかし、これらの読みやすい火山は例外で、ほかの火山は噴火に関するデータが少なすぎて、まったく予測ができないのです。富士山にしても箱根山にしても、地質調査によって、過去に噴火したことは確実に分かっています。しかし、噴火前にどのような前兆があったのかは分からないのです。

 たとえば富士山では、山体膨張(火山の下からマグマや火山性ガスが上がってきて山が膨張すること)が起きたことを示すデータはあります。ほかにも、河口湖で、ある時期、異常な水位低下が起きたり、氷穴で氷が溶けるといった異変が報告されていますが、果たして本当にこれらが前兆なのか。また、前兆であったとして、どの程度、噴火が差し迫っているのかは、分かりません。