パラレルな学びが役に立つ

 そこで次に、どのように学べばいいのかという疑問が生じてくることと思います。リーダーシップについては、ただ座学の研修を受けるだけ、本を読むだけで学ぶことは難しいでしょう。組織やチームの、実際に何か行なっている現場でこそ学ぶことができるわけです。
 
 たとえば、「権限に基づくリーダーシップ」であれば、権限のある組織の活動で学ぶことができるでしょう。リーダーが権限に基づき影響力を発揮し、フォロワーがその指示を上手にこなす、そのような活動の中で、リーダーとフォロワーがそれぞれ学んでいくというわけです。

 しかし、シェアド・リーダーシップや「権限のないリーダーシップ」の場合はどうでしょう。権限によって成り立つ組織だと、その学びに限界があるのではないでしょうか。

パラレルキャリアで、シェアド・リーダーシップを楽しく学ぶ

 これに対して、パラレルキャリアのチームが権限によって成り立つケースは少なくなります。連載の第2回のNPO法人二枚目の名刺のサポートプロジェクトを振り返ってみましょう。

 二枚目の名刺のサポートプロジェクトは、二枚目の名刺が編成した社会人チームと支援先の団体が一緒になって、社会課題に取り組むしくみになっています。編成されたチームは、だいたい5~6名程度のチームである場合が多いのです。属する業界、会社、職種、年齢、性別は多様性に富むものとなります。

 この多様性のあるチームが、週に5~10時間程度の負荷で、3~6ヵ月の期間、プロジェクトに取り組みます。サポートプロジェクトではチームで話し合ってリーダーを決めることが多いのですが、そうであっても、そのリーダーが権限に基づいて命令するわけではありません。5~6名のメンバーが、それぞれ、自分の個性、強み、スキルをいかして、どのようにチームに貢献できるか考え、リーダーはそのとりまとめを行なうことが役割なのです。