一般的にリーダーシップとは、組織やチームのトップとして、どのような影響を与えるのかという点が注目されてきました。たとえばカリスマ型リーダー、変革型リーダーという表現は、こうしたリーダーシップに該当するものです。

 一方、組織やチームのメンバー全員が持つリーダーシップは、聞きなれない表現だと思いますが、シェアド・リーダーシップと呼ばれます。

 従来の考え方では、ひとつのチームにはひとりのリーダーがいて、ほかのメンバーはフォロワーということになります。この場合、リーダー以外のメンバーは、いかにリーダーの指示や影響をうまく受け止めるかということに意識が向くことになります。

 しかしシェアド・リーダーシップのように、各メンバーのリーダーシップがチームで共有されている状況では、それぞれのメンバーの主体性、自律性が問われることになるわけです。

立教大学経営学部のリーダーシップ教育

 日向野幹也先生の著者『大学教育アントレプレナーシップ』の中で、立教大学経営学部で実施しているリーダーシップの教育が紹介されています。この教育は、まさにシェアド・リーダーシップの育成を目指しているようです。

 というのは、この本で紹介されているリーダーシップは「権限のない自然発生的なリーダーシップ」です。これまでリーダーシップといえば、どうしても組織内での役職や権限にもとづく内容のことを思い浮かべてしまうのではないでしょうか。

 ところが環境変化の激しい時代においては、組織で一部の権限のある人たちだけが、カリスマ的にリーダーシップをふるっても、環境変化に対応できなくなってきています。変化が激しく、複雑な社会に対応するためには、組織やチームのメンバー全員が、「権限のないリーダーシップ」を発揮することが必要になります。そこで立教大学経営学部では、学生に対して「成果目標を示して他人を巻き込むリーダーシップ」の開発を行なっているわけです。