Photo by Kazutoshi Sumitomo |
──2008年10月に協和発酵工業とキリンファーマが合併した。事業の統合は順調に進んだか。
早いものだ。研究開発、製造、営業など統合作業はすべて計画より前倒しで進んでいる。
順調だったのは、“抗体医薬(特定の細胞や組織に効果のある抗体を投与し症状を抑制することを目的とする薬)を核とした研究開発型のスペシャリティファーマ”を目指す、というストーリー性と、その目標に向けて両社が提供できる強みがあったからこそだ。
──1月末に発表した中期経営計画では、12年度目標として、売上高4540億円(09年度比11%増)、営業利益517億円(同67%増)を掲げた。実現のカギは、抗体医薬の「KW‐0761」や「KRN23」などが握る。
この1年半で、抗体医薬3個、(従来型の)低分子薬2個を臨床試験入りさせており、目標達成には自信がある。
特に、抗ガン剤KW‐0761は、初めてポテリジェント技術(抗体医薬の力を増強する独自技術)を用いた点や、統合して最初に世に送り出す点で重要な製品だ。臨床試験の成績は順調なので、計画どおり承認申請できると思う。
──製品の発売後、売り上げを最大化するには欧米の販売体制を整備することが課題だ。
M&Aも含めた体制の構築を検討している。製品開発の進捗に合わせてタイミングを計りたい。