>>(上)より続く
A.妻との交際をやめてほしい
B.謝罪してほしい
C.慰謝料を払ってほしい
まさに今、一筋縄ではいかない輩を対峙しているわけですが、AからCは「○○しなければ、××する」の形式に当てはまっているでしょうか?いや、そんなことはありません。「××」の部分が抜け落ちているでしょう。確かにAからCはごくごく真っ当な希望なのですが、「○○」の部分だけでは、いくら何でも普通すぎるので、翔太さんは上手くいかなかったのです。もちろん、希望をありのまま伝えることで、オトコがすんなり妻との関係やめてくれたり、謝罪をしてきたり、慰謝料を払ってくれれば良いのですが、世の中にはそんな誠実な人ばかりではない…それは翔太さんの失敗談を聞けば分かるでしょう。そもそもオトコが「誠実を絵に描いたような人」なら、そもそも不倫などしないはずです。
例えば、「○○」の部分だけ請求すると、オトコは次のように反論してくることが予想されます。
「あんたたちの夫婦関係が破綻しているのだから、僕と奥さんが付き合ったって問題ないだろう」
「悪いことをしていないから、謝るつもりはない」
「お金がないから、慰謝料を払わない」
このようにオトコは自分のことを棚に上げて、軽々しく反論してきても不思議ではありません。翔太さんはただでさえ、不倫の発覚でショックを受けていたのですが、オトコはさらに追い討ちをかけ、揚句の果てには逆ギレをする始末。
なぜ、翔太さんはこのような仕返しをされなければならなかったのでしょうか?それはオトコには誠実さや常識、倫理観がまるっきり欠如しているからです。オトコは翔太さんに対して「悪いことをしている」という罪悪感も、「人妻と付き合うのはまずい」という後ろめたさも持っていないのは明らかでしょう。ここで大事なのは前もって知っておくことです。「目の前にいるのは当たり前のことを当たり前とも思わない人間なのだ」と。正論が通じない相手に、正論を繰り返しても仕方がありません。
「言われたとおりにしよう」
そもそもオトコにそんな気持ちが、ひとかけらでもあるのでしょうか?できれば別れたくないし、謝りたくないし、慰謝料も払いたくない…そのような相手に対して「話せば分かる」という感じで挑んでも、玉砕するのがオチですし、実際に翔太さんはそうなっています。
何度も注意したのに
なぜ不倫は繰り返されたのか
(1)性善説→「不倫が悪いこと、やってはいけない」世の中にはそういう認識を持っている人ばかりだ。
(2)性悪説→「不倫が悪いこと、やってはいけない」世の中にはそんな認識を持っている人はいない。
これがオトコに対して「普通」にアプローチしても、上手くいかない理由です。不倫の現場では「性悪説」の人間ばかりなのです。だから、翔太さんは発想を切り替えなければならなかったのです。不倫の現場は日常生活とは一線を画する異常な世界なのだから「○○しなければ、××する」作戦を使うことを躊躇する必要はありません。確かに「立つ鳥後を濁さず」という感じで、綺麗に後始末できれば良いですが、翔太さんの場合、もう、そんなことを言っていられる段階ではなかったのです。