今後、日本は海外インフラ事業などで稼ぐというビジネスモデルを展開していくことだろう。このシナリオに沿って株式市場も物色の矛先が決まる国策相場の様相を呈していくのではないだろうか。
民主党政権が示す将来の展望が見えにくいという批判の一方で、確実に動きを見せ始めている。経済産業省は、2009年12月に提示された成長戦略基本方針を踏まえ、日本産業の今後のあり方を示す「産業構造ビジョン(仮称)」を策定するため、産業構造審議会に産業競争力部会を設置。「日本は何で稼ぎ、雇用していくのか」について議論している。
2月の第1回会合で問題を洗い出し、これまで日本企業が技術で勝っても事業や利益で負けるのは(1)産業構造、(2)ビジネスモデル、(3)ビジネスインフラなどといった3つの構造的な問題が存在するためと結論づけた。
(1)は日本企業が低収益体質であり、同一産業内に多数の会社がひしめき合って疲弊しているということ。
(2)は世界のビジネスモデルが「ブラックボックス」と「オープン」を組み合わせた標準戦略が主流となるなか、日本型の垂直統合自前主義が通用しなくなってきたということ。