2002年の登場以来、全世界で1400万台を超える掃除ロボットのルンバを販売してきた米アイロボット。創業者のコリン・アングルCEOに、家庭用ロボットの未来と先端技術を聞いた。
──最新モデルは家の中の「デジタル地図」を自動的に作ります。その狙いは何でしょうか。
最新の「ルンバ980」は掃除用ロボットとしても素晴らしい仕上がりですが、新しいデジタル地図こそ、これから家庭におけるIoT(モノのインターネット)を正しく機能させるために重要な意味を持っています。
家をスマートにする技術はそれほど難しくはありません。最大の問題は、家のどの部屋にユーザーがいて、今何をしているかという文脈を理解することなのです。
例えばユーザーが部屋を移動すれば、それに合わせて一つ一つの電球の点灯消灯から、音楽を流すスピーカーの切り替えまで、システムは自動運用されるべきなのです。スマートフォンを取り出し、アプリを開き、操作するのはスマートではありません。そのためには家がユーザーを理解しないといけないのです。グーグルが買収したネストをはじめ、多くのIoT企業がこの部分に苦労しています。
ルンバには詳細が分かります。室内を自由に動き回り、テレビや家電などあらゆる機器に接続されるロボットになるでしょう。デジタル地図はインテリジェントな家づくりの前提条件になります。