鳩山由紀夫首相がツイッターを始めて話題になっている。だが、「今日は○○○していました」などと愛らしくつぶやいているだけでは、インターネットの利用法でオバマ大統領に5年どころか、10年も20年も後れを取ってしまうだろう。

 その証拠に次のサイトを見てほしい。

 「USA Spending(アメリカ政府支出)」と、やけにまっすぐな名前がついたサイトだが、その内容がすごい。

 たとえば、右下に出てくる「2009年度請負い業者トップ5」というリストがある。つまり、昨年度政府調達の中でも契約料総額が最大だった企業5社が並んでいる。トップはロッキード・マーチンで、383億2781万6102ドル。その下にボーイング、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミックス、レイセオンが続く。

 ロッキード・マーチンの社名をクリックしてみよう。すると、契約料のうち入札によって得たものがどの程度で、指名契約はどの程度、また以前から継続されている契約料がどれくらいの割合を占めるのかを示す円グラフが出てくる。

 ロッキード・マーチンに払った契約料の製品分野別の内訳もあって、航空機、戦闘機、防衛ミサイルなどが金額とともにリストアップされている。政府のどの機関が契約を結んだのかも明らかにされている。ちなみに、海軍、空軍がトップ2だ。

 さらに、情報を辿ると、その契約金が落ちた選挙区はどこか、そしてその選挙区の議員名も記されている。企業と政治家、政府調達の関係が一目瞭然だ。

 実はこの「アメリカ政府支出」サイトは、オバマ大統領が就任直後に初めて大統領発令した「政府の透明性とオープン性に関する覚書」に基づいて作られたものだ。

 昨年末には、「オープンな政府のための指令」が出され、透明でわかりやすい情報開示を実現するために、各省庁からCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)などの情報データ担当者34名を集めたワーキング・グループも作られた。さらに、より上級の役人たちで構成される、データの信頼性を“保持”するための組織も出来た。