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つぶやくだけの鳩山首相とは大違い!
オバマ政権の政府支出“まる裸”大作戦

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第81回】 2010年2月12日
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 オバマは、周知の通り、大統領選の際にフェースブックとツイッターとインスタント・メッセージングを多用して草の根的に国民の賛同を盛り上げていったが、大統領に就任してからは、インターネットとITの潜在力をさらに積極的に掘り起こしている。いつまでも「つぶやく」だけにとどまってなどいないのだ。アメリカのテクノロジー関係者は、今やツイッターよりもずっとこちらの方を注目していて、「オープン・ガバメント」という言葉は、社会学の分野でもITの分野でも、一種の流行語になっているくらいなのだ。

 ホワイト・ハウスの「オープン・ガバメント・イニシアティブ」のページにはこうある。

 「長い間、アメリカ国民はワシントンでまかり通っている秘密主義的文化につきあってきました。そこでは、情報は隠され、税金は痕跡もなく消え、ロビイストたちが過度な影響力を政治に与えてきたのです」

 そして、このオープン・ガバメント・イニシアティブは、「特定の利益グループの政治への影響力を抑えるために、ロビイストが政府機関のアドバイザーに就いたりすることを防ぎ、(中略)各政府機関がどのように税金を使っているのかを追跡する」という。つまり、この「オープン・ガバメント」というのは、国民に対する情報開示であると同時に、オバマ政権が各省庁を横断してその支出を監視するツールとしても機能しているというわけだ。

 実際、これだけのデータを自分で集めようとすると、以前ならば大変な手間のかかる作業となった。異なる省庁にアクセスし、数字が羅列されたわかりにくい表を入手し、さらに別の政府機関が出す数字と比較する……。それがここでは、実にわかりやすいグラフになって表現されている。もちろん、このサイトから各省庁のサイトへ飛んで生のデータを見ることもできる。

 こんなことが可能になったのは、オバマ政権下で初めて任命された連邦CTOと連邦CIOの存在のおかげだ。CTOのアニッシュ・チョプラ、CIOのヴィヴェック・クンデラは共に地方州政府でテクノロジー担当者を務め、オバマの政権移行チームにも関わっていた。この2人が、サイロ状に閉じていた各省庁のテクノロジー・システムとデータをつなげ、掘り起こしたデータ間の関係性をわかりやすく開示する基礎作りをしているのだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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