この先物の売買は、基本的に現物株の取引が終了する午後3時から先物の取引が終了する3時15分の間に行われる(実際は午後3時より前に先物の売買を一部実施することもあるらしい)。ETFの運用資産規模が大きくなると、15分間に売買する先物の量が増えて価格形成を歪めてしまう恐れがある。運用資産規模が大きいほど運用会社が得る管理手数料(信託報酬)が増えるが、先物市場の健全性を優先して新規設定を一時停止した格好だ。

「ずっと持っていれば2倍儲かる」
というのはよくある誤解

 レバレッジ型ETFに関して、「ずっと持っていればいつか株価が上がったときに2倍儲かる」と誤解する人が多い。「日経レバ」など2倍タイプETFの1日の騰落率は日経平均のほぼ2倍だが(図4参照)、ある程度の期間保有した場合は2倍になるとは限らない。

◆図4:1日の騰落率は日経平均の2倍

◆図5:日経平均と「日経レバ」ETFの期間騰落率

図5は15年の日経平均株価の推移を示している。1月14日に安値をつけた後。ほぼ一本調子で値上がりして一時2万円を超えたが、中国リスクが懸念されて8月18日から急落した。10月以降持ち直し2万円回復の手前まで戻ったものの、原油価格の急落をきっかけに再び1万9000円を割った。

 前半の上昇した期間A(1月5日~8月17日)と、急落後の期間B(8月18日~12月18日)に分けて騰落率を計算すると、期間Aでは「日経レバ」の値上がり率は日経平均の2.07倍、期間Bは下落率が2.12倍で、どちらも2倍より大きくなった。値上がりした期間Aは2倍より大きくても構わないが、期間Bのように下落率が2倍を超えるのは釈然としないだろう。

 また、15年1月以降の全期間では日経平均が8.8%値上がりしたのに対して「日経レバ」は14.6%の上昇、倍率は1.66倍にとどまった。夏場の急落もあったが、長い目で見れば、せっかく上昇相場に乗ることができたのに日経平均の1.66倍しか値上がりしなかったのは腑に落ちないだろう。このようにある程度の期間保有すると2倍にならないのは、「日経レバ」に限った話ではない。レバレッジ型ETFに共通の宿命だ。