これだけあった悲惨なバス事故
共通するのはあまりにも杜撰な管理体制

 まず、これまでに起こったバス事故について振り返ってみよう。

 軽井沢スキーバス事故は、犀川スキーバス転落事故以来、最悪のバス事故と言われている。犀川スキーバス転落事故は、同じ長野県で1985年1月28日に発生し、25人が死亡。犠牲者の大半は学生だった。

 直接の原因は雪が積もった路面でのスピードの出し過ぎだったが、長野県警は運転手の過密勤務を指摘し、過労運転の命令でバスの運行主任らを書類送検(その後、不起訴処分)。死亡した運転手は、事故当日まで2週間連続勤務をしていたという。

 2012年に起こった関越自動車道の事故は、記憶に新しいだろう。ジャンクション付近でバスが防音壁に、車体が真っ二つになるようなかたちで衝突。7人が死亡し、運転手は「居眠りしていた」と供述した。これも格安ツアーであり、価格は相場の半額以下だったという。

 2007年2月に起こった吹田スキーバス事故では、ツアーを開催した旅行会社がバス会社に対して法定外料金での運行や運行強要を行っていた事実が、「下請けいじめ」として報じられた。この事故で亡くなったのは、添乗員として乗務していたバス会社社長(当時)の三男。当時16歳の高校生だった。運転していた長男は居眠り運転をしていたとされ、業務上過失致死傷などで起訴。経営者の親族が業務にあたっていたのは「人員不足のため」だった。

 交通に関わる業務に関して、人員不足や乗務員の健康管理不足は安全を損なうことに直結する。だからこそ、バス会社は乗務員の健康管理に、旅行会社は提携するバス会社の運営状況に気を配る。事故はあってはならないことであり、多くの会社は安全第一を心がけているのだろうが、それでも「明らかな人災ではないか?」と感じるような事故が起こってしまうのはなぜだろうか。

 今回の軽井沢バス事故について、バスは事故直前、制限速度50km/hを大きく上回る80~100km/hで走行していたことがわかっている。ただし、なぜスピードを超過していたかについてはまだわかっていない。28日時点の報道では、警察はブレーキシステムは正常に作動する可能性が高かったと見ていると報じられている。