さらに、現在は、SFA(Sales Force Automation)の導入によって、ヒットタイプの行動を、個人だけではなく組織的に遂行することが多くの会社の標準的な営業スタイルとなっている。営業系の意思決定者の多くがヒットタイプだから、SFAの導入活用にも抵抗がないだろう。実際、ホームランタイプの営業マンを育成するのはむずかしいが、優秀なヒットタイプの営業マンの行動を模倣する形で、目標管理を行っていけば、どんな人でも、そこそこの成果は出るし、レベルの低い営業マンの能力の底上げにもなる。

 このように考えていくと、ヒットタイプを志向する営業組織と営業マンが現在、主流になっているのは当然のことだろう。しかしながら、営業マンがライトな仕事をすることは、(銀座と違って)顧客の立場からは楽しくはないし、メリットもない。わが社の担当営業と勝手に名乗っているが、こちらが何をやっているか良く知らないから別に相談することもない。ニーズがあるときはホームページで商品を確認すれば済む。

 もっと言えば、他社商品も含めて、リコメンデーションエンジンや比較サイトで検討すれば十分ではないかと思われる。要するに、「工程管理が上手で、商品サービスを顧客ニーズにあわせて提案できる営業マン」というのは、現在はまだ価値があるかもしれないが、将来は、不要な存在になるのではないかということである。

営業の社内での地位が落ちはじめた

 いろいろな会社の幹部たちと話すと、「日本の営業マンの能力は落ちているのだろうか?」ということが話題になることがある。そして、「落ちた」「いや、もともと低かったのだ」という意見での言い合いになる(「上がった」という人はまずいない)のだが、結論は出ない。一方で、この議論の延長線上にあってほとんどの人の意見が一致することがある。それは、

「営業マンの力量が落ちたかどうかはわからないが、営業の社内的立場は明らかに落ちはじめている」

 ということだ。