Q.米国の研究チームが、重力波の観測に成功したと発表しました。宇宙誕生の謎や、これまで光や電波では観測できない天体現象も解明できる可能性がでてきたといわれますが、今回の一報をどう受け止めましたか。日本勢も重力波望遠鏡の建設を進めていますが、日本の出番はあるのでしょうか。

重力波がどの方向から飛んできたのか
これを計測できれば画期的

A.アインシュタインがその存在を予言していた重力波が、やっと観測できたということで画期的な研究だと思います。光や電磁波の影響を受けずに、例えばブラックホールの生成過程などを直接観測することができるなど、宇宙の謎の解明に一歩前進できました。

 日本でも大型低温重力波望遠鏡・KAGRAの建設を進めていますが、このような重力波天文学という新しい分野は、国際協調と国際競争を同時に進めていかないといけません。

 重力波の場合では、観測はできたものの、どの方向から飛んできたのかまでは計測できていません。これが十分に離れた複数の場所から観測できるようになれば、その方向も特定することが可能になります。

 そういう意味で、切磋琢磨し合いながら設備の整備や観測競争をすることも大事ですが、国際協調も重要なわけです。

 そして、大きな投資を必要とする天文学分野では、このような協力体制も整いつつあるのが現状です。

Q.日経平均株価が一時1万5000円台を割り込むなど、株式市場は不安定な展開が続いています。堀江さんは、含み損を抱えた株式を売る、いわゆる損切りの基準はお持ちですか。また、実際の株価が見込みとは異なる展開になった際、どう立て直しますか?

損切りに基準なんて持ってません
必要なのは “ゼロになってもOK” の覚悟かな

A.損切りの基準は特にありません。

 というのも、上場株式に関して、損失の出ている株式を損切りして売却をすることが得意ではないと思っているので、ここ数年は手を出していません。

 そもそも損切りに基準があるのであれば、それを自動売買システムに設定してしまえば、自分でトレードする必要はなくなるはずです。

 ともかく上場株式は、投資自体が割に合わないと思います。私はベンチャー投資の方が得意で、またリターンも大きいので、現在は非上場のベンチャー企業にしか投資していません。

 株式投資は、個別企業の業績を綿密に研究して将来を予測し、投資を行ったとしても、例えばリーマンショックのような予測できない外的なショックが起きれば、個々の企業の業績に関わらず、株式市場全体が大きく下落してしまうわけです。

 そのことに一喜一憂しても仕方ないですから、必要なことは「ゼロになっても仕方ない」くらいの気持ちで投資することでしょう。どうせ、生まれたときはみんなゼロなんですから。