実際、Eさんも「1つ上の先輩たちは希望していた大手企業に就職したのに、自分はなんて不幸なんだ…」と生まれたタイミングを恨んだ時期もありました。ただ、入社した広告代理店はオーナー系で人材育成にも手間をかける会社。入社2年目には大手食品メーカーをメインで担当し、全国展開のキャペーンを仕切る立場になり、「入社した時に『中小企業だ』と文句を言ったことに後悔している」と思えるほど充実した日々が過ごせるようになりました。

 ただ、それでも気になっていることがありました。それは自分が社外でどれくらい市場価値があるのか、ということです。同じ大学の後輩が大手企業に内定~就職しています。自分がもし大手企業に中途採用で応募したらどうなるのか、試してみたくて仕方ないのです。「あくまで実力を試すだけ。現在の職場環境に不満があるわけではない」と感じつつも、学生時代に落ちた大手広告代理店に対する思いを拭いさることは出来ません。

 自分がもし入社していたら、ついていけたのか。人生は変わったのか。

 社会人経験もそれなりにできて、仕事に対する自信も少々ついてきたタイミングに「自分の力試しをしよう」と人材紹介会社を訪問することにしました。

 さて、Eさんは転職相談に行っても今の会社に留まるのか、それとも大手企業への転職に動き出すのでしょうか。

実は大手企業で働くよりも
中小企業の方が早く成長できていた!

「まずはエントリーをしなくてはいけない」

 Eさんはまず、1社に絞り込んで業界大手の人材紹介会社にメールで問い合わせを行いました。すると、面談希望を確認するメールが短時間で返ってきて、翌週には面談の時間がセットされました。そして、提出済みの履歴書と職務経歴書を確認しながらキャリアアドバイザーによる面談が行われました。

 Eさんは自分が関わってきた大手クライアントのキャンペーンでの仕事ぶりなど事細かに説明しました。ちなみに同世代の大手広告代理店社員に比べると任されている仕事のレベルはEさんの方が圧倒的に上でした(本人は気づいていないようですが)。

 大手代理店に入社した同期は、「研修」という名目で先輩社員の手伝いのような仕事を長く続けるのが通例。ゆえに、自分がクライアントの主担当をするのはだいぶ先の話。現場における経験は、Eさんほどできていないのです。