活況の転職市場では、誰もが引く手あまたというわけではないようです

 転職市場が人材不足で「売り手市場」になっていると言われて久しくなりました。ただ、誰もが“売り手”として恵まれた状況であるわけではありません。転職回数が一定数以下でなければ、なかなか採用をしてくれない企業も少なくないからです。例えば、3年で3回転職をしている人はどうかというと、採用をためらう人事部が多数を占めるのではないでしょうか。

 では、転職回数が「既に」3回以上の人はもう転職できないのかというと、決して諦める必要はありません。これまでの経験を活かして、転職回数をプラスに転換させる余地は残っています。今回は、その方法を皆さんと考えてみたいと思います。

転職3回以上の希望者との面談は
「意欲が下がる」

 あなたは転職したことがありますか。あるならば、何回ありますか。そして、その転職回数は勲章でしょうか。それとも、向こう傷でしょうか。

「転職=悪」というイメージが当たり前だった時代がありました。そんなイメージを払拭したものの1つが、筆者が勤務していたリクルートでした。

「ヤリガイ様~私にヤリガイをお与えください」

 1985年、転職を明るく前向きに表現した「ヤリガイ様」のCMで注目を集めた就職情報誌『週刊就職情報』をリリース。タレントにとんねるずを起用し、その年の流行語にもなりました。余談ですが、その年に起きたのは、「日航ジャンボ機墜落事故」「青函トンネル貫通」「新幹線上野駅開業」で、「日本電信電話」が「NTT」、「日本専売」が「日本たばこ」になる大事件がたくさんあった年でした。

 あれから30年。現在は転職をネガティブに捉える人は激減しました(まだ転職=ネガティブに捉える人はいるとは思いますが)。ただ、転職回数が多い人は採用をする側からはあまりいい印象を与えていない、それを象徴するようなシーンに遭遇したことがあります。