間違った目標設定を見直せば
バブル入社組も再生の可能性がある

 バブル期までの時代は、組織拡大に応じて管理手法を駆使してさえいれば、そこそこマネジメントができていた。情報は管理者に集まり、管理者は情報を専有して管理ツールとして活用できた。しかし、その管理手法が通用しなくなるほどの環境変化にさらされる中、能力を高める努力をしてこなかった40代、50代がマネジメントをできなくなるのは、当然の結末だ。

 加えて今日では、管理者だけが情報を専有できるわけではない。誰もが情報を得ることができ、むしろ若い社員の方が情報収集力に長けている中で、情報を管理ツールとして使えない今日の管理者はハンディキャップを負っていると言わざるをえない。ハンディキャップを負っているにもかかわらず、能力を高める努力を怠ってきたのであれば、ビジネス推進に役に立てないことは自明だ。

 しかし、40代、50代の管理型リーダーにも再生の可能性がある。その要件は、十分なエネルギーを有していることと、設定する目標を修正できることだ。目標達成意欲がすこぶる高い分、設定する新しい目標の動機付けさえできれば、その目標に向かってエネルギーを発揮できるケースが多い。

 先週末に東京で行われた、日本ナレッジマネジメント学会の年次大会(山崎秀夫プログラム委員長・学会専務理事)のテーマは、「アウトカム社会 新しい資本主義のためのビジネスモデル ライフスタイルの追及と創造性」であった。

 アウトカムとは、「具体的効果」によって評価をする手法だ。たとえば、「交通事故を減らすために警官のパトロールを増やした」とする。パトロール回数を目標通りに増やしたとして評価をするのは、アウトプット評価だ。これに対して、アウトカム評価では「警官のパトロールを増やした結果、どのくらい交通事故が減ったか」という成果を見る。

 組織がアウトカムの視点を持てば、昔の成功体験にしがみついて、成果の出ない仕事に執心することは起こり得ない。私は、かつての管理型マネジメントに終始している40代、50代のリーダーの変革こそが、アウトカム社会の実現の鍵を握っていると思えてならない。

※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。