いま、最もアツいフルーツといえば、「いちご」だ。
「さがほのか」「紅ほっぺ」「いばらキッス」「きらび香」「紅い雫」「古都華(ことか)」、「熊紅(ゆうべに)」……。近年、日本各地でブランドいちごが続々と誕生し、熾烈な「いちごバトル」が続いている。
圧倒的ないちごの生産量を誇るのは栃木県だ。生産量、作付面積、産出額も日本一の座に輝いている。
生産量47年連続日本一
いちご王国とちぎの気合
「栃木県は肥沃な大地、冬季の豊富な日照時間量、豊かな地下水など美味しいいちごを育む環境に恵まれています」
こう語るのは、栃木県農政部経済流通課 農産物ブランド推進班 販売企画チーム係長の後藤知昭さん。名刺のかたちは、かわいらしい、いちご型。そこには「栃木はいちご生産量日本一!」の文字が躍る。
栃木県が昭和30年代からいちご栽培を本格化し、一躍産地として生産量をのばしてきたのは恵まれた栽培条件だけが理由ではない。
「栃木のいちごは単位面積あたりの収穫量も多いんです」
10アール当たりの収穫量が4.2トンとこれまた日本一。
これは栃木県が他県に類をみない健全な苗の供給体制を整備し、県内の親株の85%を供給していること、加えて生産者の技術力の高さの証だ。
こうした背景から、栃木県はいちごの需要が最も増えるクリスマスに先駆けて高値で売るための「早出し」にも強い。年内の東京市場におけるシェアは47%の数字をたたき出している。
栃木が誇る、ぶっちぎりの「生産量47年連続日本一」という記録は、栃木のいちご関係者たちが「自他ともに認める『いちご王国』」として、並々ならぬ力を注いできたからである。
そうである。栃木は「いちご王国」なのである。
HPでも、福田富一知事自ら「いちご王国とちぎ県国王」と笑顔で名乗る。
栃木県では、生産振興課に「いちご野菜担当」を設け、全国一のいちご産地の発展に取り組み、いちご王国としての地位の確保に取り組んできた。