【① 現金引き出し編】

◆通帳・キャッシュカードがなくても、預貯金の引き出しは可能

 銀行等のキャッシュカードや通帳・印鑑は、倒壊した自宅にはあるが手元にない、探せない、といった状況でも、当面の生活費程度は引き出すことができることを知っておいてください。貴重品を探すために倒壊しそうな自宅に立ち入るのは危険。自宅に戻らずに、口座のある金融機関に出向き、相談しましょう。

 銀行等では、本人であることを確認したうえで、10万~20万円の引き出しに応じる体制を取っています。

 本人確認のためには、運転免許証や顔写真付きの身分証明書があるとベストですが、手元にない場合でもあきらめずに、まずは窓口に相談を。

【② 住宅ローン編】

◆残高不足で、ローン返済の引き落としがされなくても、被災者は「延滞扱い」にならない。落ち着くまでは、住宅ローンの心配をせずに、生活再建を優先していい

 勤務先も甚大な被害を被っていると、給料日に給与が振り込まれない事態が起こるかもしれません。また、避難生活のために必要な緊急の生活費を優先して引き出すと、口座の残高が減り、住宅ローン返済分が確保できるかどうか、心配になる人も少なくないでしょう。

 通常であれば、約束した日に返済が行われなければ「延滞扱い」になります。しかし、阪神・淡路大震災、東日本大震災の時と同様に、銀行等は大規模災害の被災者に関しては「延滞扱い」にしない対応を取ると思われます。

 被災した方は、住宅ローンの返済の心配をせずに、他にすべきことを優先していい、と覚えておいてください。ただし、「延滞扱い」にならないためには、後日、「被災者」であることを申し出る必要があります。銀行等にしてみると、返済が滞ったのが、被災によるものなのか、ただの延滞なのか、申し出を受けないとわからないからです。最寄りの支店の機能が麻痺していたら、銀行本部が対応します。

 銀行等の支店に被災者であることを申し出る際には、「り災証明書」があるとスムーズに手続きができます。これは、地震・火災・風水害で被災した家屋や事業所の被害の程度を証明する書類で、市町村が現地調査をし、発行するもので、他の各種支援制度を受ける際にも必要になるので、「必ず申請して入手するもの」と覚えておきましょう。

「り災証明書」の項で別途解説しますので参照してください。