九州経済圏を窮地に追い込んだ熊本地震はまた、金融市場をも大きく揺さぶっている。為替市場や株式市場では地震の余波で何が起こっているのか。

株式市場では、早くも復興需要に関連する銘柄群が物色され、地元の建設株などが急騰している

 熊本県のGDP(国内総生産)は日本全体のGDPの1.1%程度にすぎない。ただし、熊本地震が金融マーケットに与える影響は決して小さくない。さまざまな思惑が絡み合いながら、市場を揺さぶるからだ。

 例えば為替市場。過去、大きな震災が起きた際には、ドル円の為替相場は必ずと言っていいほど円高方向に振れてきた。

 背景にあるのは、海外に保有している資産を本国へ戻すことを意味する「レパトリエーション(レパトリ)」だ。具体的には、大規模な災害が起こると、保険会社が巨額の保険料の支払いを迫られるため、日本円が必要になり、相場が円高に動くという構図である。

 ここで厄介なのは、実際には大震災が起きても大規模なレパトリは起こらないケースがあるということ。それでも、地震が発生すると自動的に円を買うアルゴリズムを組んで売買している投機筋もいるとされ、震災イコール円高の思惑が先行することで円高に振れやすくなるという。