5年に1度の人口統計、2015年国勢調査速報値が今年2月末に発表された。「週刊ダイヤモンド」では最新の結果や他の経済統計を基に、全国1711市区町村から「勢いのある街」を探った。

 史上初の人口減少へ──。今年2月26日、国の統計指標の中でも、最も重要度の高い2015年国勢調査速報値が、5年ぶりに発表された。

 15年10月1日付の総人口は、5年前に比べて94.7万人減の1億2711万人。1920年の調査開始以来、初の「人口減少」となり、新たな時代に突入したことを示す歴史的な発表となった。

 都道府県別に見ると、全国39道府県が人口減を記録する中で、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)や愛知、滋賀、福岡、沖縄の8都県で人口が増えていた。

 大都市圏への人口流入が目立つ結果となったが、政令指定都市別に見ると、特に福岡市の躍進が著しい。その人口増加率は5.1%と東京23区を抜いた。人口でも神戸市を抜き政令市中全国5番目になったのだ(右表参照)。

 人口減少時代に入っても、全国には勢いのある街が存在しているということである。

 それでは、市区町村別では一体、どの街に勢いがあるのだろうか。残念ながら、国勢調査の詳細データはまだ明らかにされていないため、本誌は市区町村別にある最新の経済関連統計データを用いて、オリジナルの「勢いのある街ランキング」を作成した。

 言うまでもなく各地域の最重要指標は「人口」だろう。人の集まる所に仕事は生まれ、経済が活性化することで個人の所得が増える。住宅地などの不動産の値段へ波及して、街の魅力が高まっていくからだ。