お遊びの土台をつくる
「望遠鏡遊び」

 ここで、「望遠鏡遊び」をしてみます。
 紙筒(ラップの芯など、細長い筒状のもの)を用意しましょう。

 片目で筒を通して遠くを見せたり、筒を動かして近くを見せたりします。左右交互に見せてください。

片目で筒を通して見せる、同時に片一方の目も開けて見せるなど、子どもと一緒にやってみると、お母さんの眼の疲れも回復するでしょう。

久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 また、鏡にお母さんの大げさな顔の動きを映して、大笑いしながら目の動きをマスターさせるのもいいでしょう。
にらめっこしましょ、笑うと負けよ遊び♪」で、変な目はおかしな表情になるので、白目をむき出しにして、相手を見ずに負かすこともできるようになります。

 何が視野を確かなものにするかも、遊びの中で見つけてください。

 子どもをまっすぐ前に向かせ、後ろからものを持って前方に動かし、「何かな?」と当てさせます。

 当てるものは4~5種類あればよく、あらかじめそれが何であるのかを知らせておきます。

 子どもは、真横にあって見えないはずのものでも当てることがあります。

 この場合は「当たり、すごい!」とほめてあげてください。

≪競博士のひと言≫
 生まれたばかりの赤ちゃんは、同じものを両目で見る「両眼視」ができません。ものを見る訓練をしないと、見えるようにはならないのです。

 生まれたその日から、ものを見るトレーニングをしましょう。
 個人差はありますが、だいたい生後4ヵ月で両眼視ができるようになってきます。
 すると、ものが見える視野がだんだん広がっていきます。
片目でものを見る訓練もしてください。
 片目では遠近感がわかりませんが、どう見えるのかを知っておくことが大切です。