「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏(83)と脳科学の権威・久保田競氏(83)注目の新刊『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』。
あの「週刊文春」の「ベストセラー解剖」にも取り上げられ、ソニー創業者・井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』の続篇として、ついにリリースされた「1歳から感性豊かな脳を育む五感トレーニング」を、「脳科学おばあちゃん」にこっそり紹介してもらおう。
すぐに歩けたと、喜んではいけません
(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。著書に、累計36万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』『0歳からみるみる賢くなる55の心得』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【株式会社脳研工房HP】http://www.umanma.
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昭和の中ごろまで、「這えば立て、立てば歩めの親心」で、子どもは成長・発達するのが普通でしたが、おんぶして家事をするお母さんがだんだん少なくなり、おんぶひもや布オムツがほとんど使われなくなりました。
また、すぐに立ち上がり、歩き始める赤ちゃんが多くなりました。
親にとっては自慢でしょうが、「目のためには、這うことは大事よ」と水を差しておきます。
危なっかしい「すぐに立った」をさせずに、四つん這いから始めて背を伸ばすために、両足のかかとを上げて、「高い高い」という“高這い”をすることをおすすめします。
歩くためには、歩くスピードに合わせて視線を動かさなければなりません。
これは高等技術で、赤ちゃんが自然に会得するものではありません。
赤ちゃんが立つ姿勢はとても不安定です。この不安定な状態で、視線を動かすのは非常に難しいのです。
「2~3歩は前に出るけど、それから先は一歩も歩けないの……」と嘆いたお母さんは、「ハイハイをせず、すぐ立った」と喜んだお母さんでした。
ハイハイのときは手足をうまく調節しながら移動しますが、目的地へ進むには、歩くのと同様、自分の動きに合わせて視線を合わさなければなりません。
焦点を縮めたり、伸ばしたり、視界に入るものを整理しながら前に進みます。
この行動も、安定した四つん這いだからこそ、自然体でできるのです。
こうすれば、少しずつ正確に目の能力を高められます。