『週刊ダイヤモンド』5月28日号の第一特集は「慶應三田会 学閥の王者」です。本誌では、慶應義塾が複数のキャンパスを構える神奈川県の首長、黒岩祐治知事が「神奈川県と慶應義塾の一体感」を語るインタビューを掲載しています。インタビューでは、母校である早稲田大学、そして灘中学・高校におけるOBのつながりにも話題が広がりました。本誌未掲載分を含むロングインタビュー版でお届けします。
1954年生まれ、神戸市出身。灘中学校・高等学校を経て、80年早稲田大学政治経済学部卒業、フジテレビジョン入社。「FNNスーパータイム」「報道2001」のキャスターを務める。2011年神奈川県知事就任。 Photo by Toshiaki Usami
――黒岩知事は早稲田大学を卒業されましたが、神奈川県は慶應義塾OB組織である三田会が強い地域です。
え、そうなの?
――地元財界は慶應卒が強いと言われています。やりづらいことは?
いやいや、意識したことがなかった。まあ、私が早稲田への帰属意識が薄いのかもしれませんけどね。
神奈川県知事となった以上は、慶應義塾との関係の方が中心になってきます。慶應は神奈川県内では日吉と湘南にキャンパスがあり、横浜初等部(小学校)も開設され、神奈川の学校という意識が強い。県が進める政策において、慶應はものすごく力強いサポーター。慶應義塾長の清家篤さんには、県の政策を議論する総合計画審議会で会長をやっていただいています。
――相鉄いずみ野線を延伸して湘南藤沢キャンパス(SFC、藤沢市)の前に新駅を作り、日吉キャンパス(横浜市)のある日吉駅、三田キャンパス(東京都港区)のある三田駅まで鉄道を直通化させる構想があります。つまり、慶應の3つのキャンパスをつなぐ直通線の開通です。このほど、国土交通省が固めた鉄道整備を促す答申の中に、2030年をめどにした将来像において意義のあるプロジェクトとして相模鉄道いずみ野線延伸が盛り込まれました。
相鉄いずみ野線延伸は慶應の悲願なんだよね。清家さんから何度もお話を頂いた。あのエリアは確かに充実させたい所で、県の最重点課題として国へも強力に働き掛けました。