しかし、自宅には数々のしがらみがある。不動産は唯一無二の立地であるし、そこでコミュニティが形成されて、資産価値以外の要素が判断材料に増えていく。自らのマネジメント能力に自信があるのなら、それを活用するには格好の場である。自分のことだけでなく、的確な判断に時間を割くと、居住者全員への恩恵は多大である。

費用を適正化するための
パートナー選びの3つの要件

 ここで費用の適正化に尽力するとは、何をすることを指すのか明確にしておこう。その仕事は主にパートナー選びで決まると言っても過言ではない。パートナー選びは3つの要件で選んだ方がいい。

 要件の1つ目は、コストパフォーマンスを最大化させるという基準である。管理費削減が流行した際に、安易なコスト削減業者が多かった。彼らは、見積もりを多数取って、業務の内容や業者の能力を見ることなく、価格が安いものを選んでいた。つまり、見積もりをたくさん取る代行をしただけで、業務レベルは理解していなかったのだ。

 このため、管理会社を変更した後、クレームが相次いだ。サービスの質を落とすと顧客満足度が得られないので、コストは1つの要素でしかない。問題はあくまでコストとパフォーマンスの組み合わせで決まる。

 要件の2つ目は、管理費と修繕積立金の両方を総合的に勘案して、長期的な解決策が得られるかどうかである。管理費の削減額は、修繕積立金に組み込む方が先々の運用が楽になる。修繕積立金も工事内容を分解し、見積もりを取りながらも、発注工事のスケジュールなどの管理は一元化した方がいい。ここでもコストだけでなく、パフォーマンスを最大化するための発注方法がケースバイケースで存在する。

 要件の3つ目は、パートナーの業務実績である。机上の話であれば学習すればできるかもしれない。業界構造は変化し、談合の手口は巧妙になって行くので、これに対抗するには経験がものを言う。こうした3つの要件を満たす熟練のパートナーを選ぶことが、成功の秘訣となる。

 分譲マンションにはすでに600万戸、1500万人が居住している。日本の人口が減少していくなかで、分譲マンションは都市部の好立地にしか建たない。今後も一定数の供給があり、稼働率の高い住宅として存在感は増していくだろう。それは自宅だけでなく、投資や節税目的もあり、多くの方が何らかの関わりを持つことになるだろう。

 そのためにも、これからも多数の成功・失敗事例などを収集させていただきたい。こうして、成功事例からベストプラクティス(最良の事例・方法)を明らかにすることができるようになるだろう。

 また、失敗事例や悩み事に対して、私たちが現時点で知り得る限りの成功のプロセスなどの情報提供も同時に行うこととしたい。詳細はスタイルアクトが運営する「住まいサーフィン」側で受け付けることとし、いずれ共有できるように本コラムで発表しようと思う。