東京のタクシーの初乗り運賃が現在の730円から410円へと引き下げられることになるようだ。国土交通省によれば23区と武蔵野市、三鷹市のタクシー会社の大半から新運賃への変更の申請があり、タクシー台数としては84%が値下げ申請を行ったという。
これから具体的な手続きに入るが、今年末には都内のタクシーは新料金へと変更になる見込みだ。
具体的には現行の料金では初乗りから約2キロの距離までが730円でそこからメーターが上がっていくところを、新料金では約1キロまでが410円でそこからメーターが上がることになる。消費者の視点で言えば、基本的には超近距離の部分だけ、これまでよりも安くなるというイメージで受け止めればいいはずだ。
「もうタクシーを我慢しなくていい」
値下げ補う新規需要増で売上増へ
ではこの料金体系の変更で、タクシーの利用は変わるのだろうか?
基本的には、今回の料金変更は、現在のタクシー業界の抱えている問題点を解決しそうである。経済学的にわかりやすく説明すると、今、現在はこういうことが起きている。
まずタクシー台数だが、登録制になったおかげで全体的に台数が増えて、以前よりは多い状態が続いている。慢性的に供給が多くなる構造だ。
一方で消費税の増税以来、消費者の財布のひもも固くなってきていて、以前と比べるとタクシーには空車が目立つ。つまり供給過多で実車率が低い状態に陥っているというのが現在のタクシー業界の抱える問題点である。
さて、ここで今回の料金の意味だが、単純に言えばこれまでタクシーに乗車するのを我慢してきた短距離需要分を取り込むことができるようになる。