エイコーンのCPU設計部門を切り出してアップルなどが出資し、90年にARMは誕生。以来「愚直に低消費電力を追求してきた」(ARM元幹部)。当初はアップルの携帯情報端末に採用されたりもしたが、地味な存在だった。

 転機が訪れたのは97年。フィンランドのノキアが、携帯電話にARMのCPUを採用したのだ。低消費電力にこだわり続けたARMの技術が花開き、以来、携帯電話の高度化の時流に乗って、一気に飛躍を遂げていった。

 13年に出荷された約300億個の半導体のうち、ARMの技術を利用しているのは実に約104億個。スマホの他にもゲーム機などのデジタル機器に引っ張りだこで、身の回りにある製品の半導体の3分の1以上に、まさにARMが「入ってる」のだ。

 ARMは設計図からどのようにカネを生み出しているのか。収入の柱は大きく二つある。一つは半導体メーカーがARMの設計図を使うことを可能にするライセンス料。もう一つは設計図を使った半導体の売り上げの一部を受け取るロイヤルティ収入である。

 ライセンス料は使うことのできる設計図の種類や条件によっても異なるが、数千万円から数億円程度。11年以降は毎年100を超す新規契約が結ばれ、13年末時点で348社と1000を超すライセンス契約が締結されている。

 一方、ロイヤルティは使われた設計図により、半導体の売り上げの1%から数パーセントを受け取る仕組みだ。13年にARMが手にしたロイヤルティは、半導体1個当たりわずか4.7円(1ドル=100円で換算)。しかし、100億個を超す半導体に採用されているため、ロイヤルティ収入も巨額に膨らむのだ。