なぜ韓国系ブランドが好調なのか?

 IQSの調査結果のスコアは100台当りの不具合指摘件数(PP100、Problem Per 100)を示しており、スコアが低いほど品質が優れていることを表します。

 今年の結果を国別の傾向で見ると、韓国系ブランドが87PP100でトップ、米国系ブランドが103PP100でそれに続き、日系ブランドが108PP100、そして欧州系ブランドが110PP100となっています。ブランド別の結果を見ても、起亜が1位、ヒュンダイが3位となっており、日系ブランドではトヨタが4位となりました。3年前の2013年時点で既に韓国系ブランドのスコアは最も低かった(最も初期品質が高かった)のですが、その後も改善が続き、今年は更に差が大きくなっています。

 これを最も重要な領域である車載マルチメディア(ACEN)で見てみると、韓国系ブランドがこの領域で急速に改善を進めていることがわかります。2013年には国別での不具合指摘件数には差が見られなかったにもかかわらず、今年の調査結果では、日系ブランドと韓国系ブランドの差は倍近く開きました。

 韓国系ブランドのクルマにはナビゲーション、音声認識、ブルートゥース(Bluetooth(R))、タッチスクリーンなど車載マルチメディアに限らず、ゆっくりと話す音声警告、バックモニターなど運転に必要なものが全て装備されています。操作性の観点からみると、直感的に操作できるスクリーンや、スクリーン上に大きなボタンなどが装備され、長い間道路から目を離さずに操作できる、シンプルな操作性のものとなっています。また、運転者が必要としない機能はどんどんそぎ落とされてきています。

 一方、日系ブランドのクルマは米国のユーザーにとっては直感的に操作しづらく、使いこなせない機能をも搭載していることがあることがわかり、このようなことが両者の差を生んでいる原因と考えられます。

 また、韓国系ブランドの別の側面での強みは、新型モデルやモデルチェンジ車をうまく市場に投入しているということです。開発のかなり早い段階で消費者の声を取り入れた設計をしていることで、発売初年度から高い評価を得ることができています。また、サプライヤーと共に消費者からのフィードバックを取り入れて改善に取り組んで行っていることも、大きなポイントと言えるようです。

 なお、韓国系ブランドの自動車は日本ではほとんど見られませんが、2015年の米国の新車販売台数のうち起亜は3.6%、ヒュンダイは4.4%のシェアを占めています。一方、トヨタ(レクサス、サイオン含む)は14.3%、ホンダ9.1%、日産(インフィニテイ含む)は8.5%でした(出典:Autodata)。