警察は犯罪での利用や
トラブルを警戒

 しかしラブホテルと同じ風営法管轄下のレンタルルーム、所管する警察当局の目は厳しい。警察関係者の1人は警告の意味を込めて次のように語った。「麻薬、覚せい剤の受け渡し場所として活用される懸念は、ラブホテル以上に拭いがたい。この一点でのその動向を注視している」

 この言葉を素直にとれば、警察当局の目を恐れるラブホテル同様、レンタルルームも当局からマークされているということだ。その上で、前出の警察関係者は続けてこう語った。「室内に『監禁できる道具や設備』を置くことは犯罪抑止の観点から自主的にやめていただきたい」

 監禁できる道具や設備とは、手枷、足枷、手錠、拘束具のついた椅子やベッドといったSM道具各種を指す。かつては全国的にもいくつか存在したSM専門ラブホテルだが、2009年を境にSM道具を撤去するなどの動きが目立った。今では、東京都港区にある老舗「アルファイン」をはじめ、近郊の埼玉県を含め数えるほどしか残っていない。

 これはSMという性的嗜好を規制する目的ではなく、たとえばセックスを伴わないサービスを提供する風俗嬢、いわゆるヘルス嬢やSM嬢が、「SM道具で監禁され男性器を挿入されるといったトラブル回避のため」(前出・警察関係者)だという。

 親しい関係にある知人男女が自前で道具を持ち込み、レンタルルームやラブホテルでSMプレイを楽しむ分には、「そこまで規制の網をかけるつもりはない」(前出・同)としている。

 ところで、性的マイノリティのほか、貧困層利用もあるレンタルルーム。生活保護行政はどうみているのか。東京都に聞いた。

「簡易宿泊所やネットカフェで暮らす人と同じカテゴリーとして扱っています。生活保護受給申請もできます。ただし安定した住環境での保護という目的から、受給後は、しかるべく施設かアパートなどに移っていただきます」

 この「しかるべく施設」が何らかの事情で見つからない場合、「あくまでも例外的、臨時的な措置として、短期間、レンタルルームでの居住を認める可能性は捨てきれない」(東京都)という。ホテルには劣るが、簡易宿泊所やネットカフェに比べれば、居住性能は悪くない。

「料金の安さ」と「誰でも利用できる間口の広さ」が、レンタルルームの2大セールスポイント。社会的弱者や性的少数者といった「マイノリティ」の受け皿として期待されるが、当局の取り締まりは、これから強化されるかもしれない。