経営×統計学

ギャンブルと統計、上手な負け方とは?

実はあった
大負けしない法則

 ギャンブルには「絶対に勝てる方法」というものは存在しない。しかし、実は、「大負けする法則」というものは存在する。谷岡教授は「より早く確実に負ける賭け方」として、著書で以下の四つの条件を挙げている。「回数を増やす」「同じ金額を賭け続ける」「あくまで“本命狙い”に徹する」「実力の必要なゲームに挑戦する」。

 つまり、これと正反対のことをすれば、大負けはしにくくギャンブルを楽しむことができる。

 これらは裏打ちのあるものだ。例えば「回数を増やす」というのは、「十分に大きな回数が行われる事象においては、より理論上正確な予想値に収束していく」という「大数の法則」による。

 例えば、アメリカンルーレットを100回、1000回、1万回やったときのそれぞれの収支結果は、見事にこの大数の法則に支配されている。100回のときの収支マイナスの割合は67%だが、1000回で95%に、1万回で100%にまで上昇してしまうのだ。

 さて、ギャンブル好きにとって、13年の注目は、カジノが日本でも解禁されるかどうか、だろう。

 これまで、カジノ合法化の機運は2度ほどあったが、安倍政権発足は、3度目のチャンスといわれている。

 カジノの合法化への反対論として根強いのは、ギャンブル性の高さから、依存症など社会への悪影響が懸念される点だ。

 ところが、カジノの代表的なゲームの控除率を見てみると、意外なことがわかる。

 前述したようにギャンブルの控除率の算出は、ゲーム性を加味するため複雑なものとなるが、谷岡教授の試算ではルーレットは5.263%、各種のルールがあるバカラは0%台から1%台、ブラックジャックはマイナス2%(胴元が損する)からプラス4%だ。つまり、1万円賭けた際に負ける平均値が数百円ということになる。

 ほとんどがパチンコと同程度かそれ以上に低い。1万円賭ければ平均で2500円負ける競馬などの公営競走に比べれば雲泥の差だ。

 この数字だけを見るならば、パチンコや公営競走に比べて射幸心をあおるとはいえなさそうだ。

 ただし、繰り返すが、これらはあくまで理論値の話であって、あなたが大負けしないという保証はどこにもない。せめてカジノが合法化した際には、本誌や谷岡教授の著作を手にし、大負けしない方法を肝に銘じ、冷静さを保って接してほしい。

(記事転載元:『週刊ダイヤモンド』2013年3月30日号特集「最強の武器 統計学」P46~47/編集スタッフ:清水量介、鈴木崇久、深澤 献、藤田章夫)

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週刊ダイヤモンド編集部


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