場の雰囲気をよくしてくれる美人。そんな美人は楽しい会合に呼ばれやすい。何かにつけ誘われやすい。美人はつかまりにくいという話を聞くのはそのためだろうか。見ていても気持ちがいいという話以上に、なんとなく会話そのものが楽しくなるのだ。
美人は口数が多いわけではないし、面白い話をするのが得意であるとも限らない。しかし、その場は笑顔が多くなる。たとえば何かの打ち上げで十数人程度の集いがあるとする。会が進むにつれ、全員での会話より数人のグループがいくつかでき、それぞれが会話を始める。笑い声、笑顔が多いのは美人がいるグループだ。その美人は面白いことを言っているかといえば、そうでもない。むしろその隣が面白い話をしている。
美人の場づくり。それは他人の会話に対しての反応がとてもうまいのだ。他人の話を一生懸命聞き、その話の面白さを素早くつかむ。笑顔になったり、笑い声が出たり、反応が早めで会話を無言リードしている。だから、話しているほうも気分よく話せ、面白い話がさらに面白くなっていく。
そして、自分が話しだすタイミングや続けるべき話の選び方が絶妙で、ますます場が楽しくなっていく。話がはずむ。
一方、なんとなく誘われにくい人がいる。場がつまらなくなる人だ。そういう人は他人の話を聞くのが下手だ。他人の話への反応は小さく、他人が話していることにイライラしている様子。聞いていても、すぐに自分の話に持っていってしまう。まだ他人が話しているのに、なぜか「私なんか……」と話し始める。自分には関係ない話でも何かにつけ「私は?」と聞いてくる。どうでもいいのに。
サッカーのオフザボールの動き。ボールを持っていない時間の動き方こそが勝負を決めるように、話していない時間の態度こそが、いい雰囲気をつくっていく。ボールを持っている人が何をして欲しいか、そして次にどういう局面になるかを予測して動くように、発言している人、その場にふさわしい動きを心がけたい。
他人の笑顔をつくる反応。それを意識していると、自然と自分の表情は美しくなっていき、その蓄積こそ、「美人のもと」になっていくのではないだろうか。