今回は、新聞等の報道では知りたい情報として物足りない部分があったと思われるので、公表されたデータからもう少し詳しくポイントを分かりやすいグラフにして読者に提供することとする。今回はいつもの連載記事とは異なり、意外なデータの紹介というより、事実の確認の側面が強いことを了承されたい。

 最初に、発表されたすべての種類(部位)のがんについて、5年生存率をグラフにした。ここでの5年生存率とは、がんの影響のみを見るため、実測生存率から性・年齢ごとにがん以外の一般的な死因による影響を取り除く計算をした相対生存率である。また5年生存率の出発点となる観察開始日については、治療効果の判定の場合は治療開始日を取るが、地域がん登録の場合は診断日としている。ここで集計されているのは2006~08年に診断されたがんである。

◆図1 がんの治療成績(全国、2006-08年診断)

 全部位の5年生存率は62.1%であるが、部位による違いは大きい。前立腺の5年生存率が97.5%と最も高く、甲状腺が93.7%で続いている。この他、皮膚がんや乳がんでも9割を超えている。他方、低い方は、膵臓(すい臓)が7.7%と最も低く、胆のう・胆管が22.5%で続いている。その他、食道、肝臓、肺、脳・中枢神経系のがんや多発性骨髄腫、白血病が4割未満の低い値となっている。