日本が貿易自由化交渉を進める上で、長年にわたって農業は障害となってきた。では、日本の経済において、農業はどのような位置を占めているのだろうか。

Q1 どのくらいの人が農業に従事しているか?
  1980年で農業就業者数は506万人で、総就業者数に占めるシェアは9.1%。それが2008年には245万人、3.8%と、この30年で就業者数は半分以下になった。ちなみに08年の総就業者数は6385万人だ。

Q2 GDP(国内総生産)に占めるウエイトはどのくらいか?
  1980年における農業総生産は6兆2870億円で、GDPに占めるシェアは2.5%。それが2007年には4兆4430億円、0.9%と、GDPに占めるシェアは半分以下になってしまった。ちなみに08年の国内総生産は515兆円である。

Q3 食料自給率はどれくらいか?
  供給熱量ベースで、1965年には73%だったものが、2008年には41%にまで低下した。

Q4 耕作放棄地は増えているか?
  1980年の12万3000ha(ヘクタール)が、2005年には38万6000haへと3倍になった(なぜか農業白書統計には、2006年以降の数字がない)。

 まず分かるのは、日本経済にとって、農業が非常に小さな存在であることだ。少数者の声は、マスコミや国家議員を通して大きく伝わってくるが、圧倒的多数を占めるその他産業で働く人々の声は、伝わってこない。もちろん、弱小産業だから農業を切り捨ててもよいと言っているわけではない。ここで認識すべきは、長年にわたる農業への保護政策が、このような惨状を招いたということである。

発想を転換すれば
違った世界が見える

 TPPに参加した場合に、日本経済にどれくらいの影響があるか。政府が公表した試算は、バラバラで大きな話題を呼んだ。農林水産省の試算では、農業および関連産業への影響で、GDPは7兆9000億円程度減り、就業機会の減少は340万人規模に達するという。単純に比較すれば、日本から農業は消滅し、農民はいなくなるという計算になるから、これはすさまじい。